マツダ渾身のSUV姉妹 MX-30とCX-30 棲み分け成否のカギは電動化にあり

マツダ渾身のSUV姉妹 MX-30とCX-30 棲み分け成否のカギは電動化にあり

 2020年10月8日に販売開始された、マツダ「MX-30」。発売から3か月経った直近の販売台数は、11月 865台、12月 696台と、月販目標1000台に対しては、まだ本調子とはいえない状況だ。

 一方、このMX-30よりも1年早い、2019年10月にデビューしているCX-30(月販目標2500台)は、9月 2905台、10月 1812台、11月 1452台、12月 1186台と、ペースは落ち着いてきてはいるが、堅調な販売台数となっている。

 車両寸法がほぼ等しいMX-30とCX-30は、プラットフォームを共通する、いわば姉妹車だ。この2台には、特徴的な差別化ポイントはいくつかあるものの、販売台数の変動をみると、食い合っているようにも見える。今回は、MX-30とCX-30の棲み分けは成功したのか、考えてみようと思う。

文:吉川賢一
写真:MAZDA

【画像ギャラリー】並べて見ると違いは一目瞭然? それともやっぱり似てる?? CX-30とMX-30 比べて画像でチェック


キャラクタ分けは明確

 MX-30には、観音開きタイプのドアや、マツダのほかのSUVとは異なる「優しめフロントフェイス」、コルク材を用いたセンターコンソールなど、実に分かりやすいキャラクタがある。

 価格も、2WD 242万円~、4WD 265万6500円~とそれほど高くなく、同価格帯のライバル車よりも質感が高いので、MX-30のおしゃれな内外装を好む方には、ドンピシャ当てはまるクルマだろう。

MX-30のBEV モデルは、2021年1月に追加される予定 しかもリース販売形式をとるようだ
MX-30のBEV モデルは、2021年1月に追加される予定 しかもリース販売形式をとるようだ
フローティングコンソール、コルクを使ったパネルなど、インテリアには良い意味で緩さを感じられる
フローティングコンソール、コルクを使ったパネルなど、インテリアには良い意味で緩さを感じられる

 MX-30は、2019年の東京モーターショーで発表された当初、マツダ初の量産BEV(バッテリーを動力源とする電気自動車)としてアナウンスされていたモデルであった。だが国内市場には、まず、直噴2.0リッターガソリンエンジンに「M HYBRID」と呼ぶマイルドハイブリッドを組み合わせた「e-SKYACTIV G」モデルが投入されている。

 爽快な加速が味わえるようなエンジン性能ではないが、静かで滑らかなフィーリングは魅力的だ。山坂道をグイグイと走り回るよりも、都会を静かかつ滑らかに走らせるシーンがよく似合う。

 一方のCX-30は、MAZDA3の車高を上げ、ロングノーズとスタイリッシュなキャビン形状を備えたクロスオーバーSUVだ。2.0リッターガソリン、1.8リッターディーゼル、そして2.0リッターガソリンのSKYACTIV-Xと、豊富なパワートレインのバリエーションがある。おススメは、加速の力強さと、燃費の良さが魅力のディーゼル仕様だ。

CX-30にはMT仕様がある この手のクロスオーバーSUVをMTで乗れるのは、今のうちかもしれない
CX-30にはMT仕様がある この手のクロスオーバーSUVをMTで乗れるのは、今のうちかもしれない

 トランスミッションも、6速ATと6速MT(ガソリン車のみ)が設定されており、ユーザーへの間口が広い。MTに抵抗がなければ、マツダのMT車は、一度味わっておくことをおすすめする。それに、この手のクロスオーバーSUVを、MTで乗ることができるのは、おそらく今のうちだ。

CX-30のインテリアは、メッキの加飾を部分的に入れた、シックでクールな印象
CX-30のインテリアは、メッキの加飾を部分的に入れた、シックでクールな印象

 CX-5とMAZDA3のちょうど間を狙ったCX-30は、クロスオーバーSUVの見本ともいえる存在だ。MX-30のような緩さや曖昧さとは異なり、メリハリがしっかりと効いたCX-30のクルマの造りは、ややドイツ車的な雰囲気も感じられ、2台は上手く棲み分けがなされていると考えられる。

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