トヨタは昔からモータースポーツに深くかかわってきたが、現豊田章男社長体制になってからは、モータースポーツに積極的に参戦するだけでなく、参加型のモータースポーツの手厚い支援など、モータースポーツの盛り上げに大きく貢献。
業績が好調なトヨタだからできるとも言えるが、湯水のようにお金を使っているだけでは、いくら社長がモータースポーツ好きと言えども継続することは難しい。
モータースポーツに本気で向き合うトヨタは採算が取れているのか気になるところ。
トヨタがモータースポーツに見出している価値、何を狙っているのかなどについて、国沢光宏氏が考察する。
文/国沢光宏、写真/TOYOTA、HONDA、NISSAN、MAZDA、MITSUBISHI
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トヨタにモータースポーツの費用対効果の意識はあるのか?
マツダや三菱自動車が、「モータースポーツなんて費用対効果悪いからやらない」と考えてるのと対照的に、トヨタはモータースポーツに注力している。
先日も今シーズンのル・マン24時間で走らせる『GRスーパースポーツ』を発表。もちろんWRCの体勢だって強化しており、今シーズン4台のWRカーを全てのWRCで走らせると発表した。
「モータースポーツは意味無し」のメーカーと鮮やかな違いを見せている。
果たしてトヨタに費用対効果意識はあるんだろうか?
ここで3つのケースを紹介してみたい。
ホンダ、日産がモータースポーツで得たもの
まずホンダ。
東洋の新興メーカーであり、商品と言えばOHVの実用バイクしかなかった1950年代、突如当時世界最高峰のマン島TTに出ると宣言。見事大暴れする。
さらに軽トラックしか販売していなかった1964年のこと。12気筒の1500ccエンジン作ってF1参戦。この2つの「事件」でホンダは世界的に認知されたメーカーになった。
もちろんマン島TTで勝った時はバイク大売れ! F1も現在に至るまで語り継がれ、ホンダの素晴らしい歴史になっている。この2つをやらなかったらどうか?
2つ目はスカイライン。
ホンダが切り開いたモータースポーツ熱を受け開催となった日本グランプリだったけれど、第1回は外国車の圧勝だった。日本車などお話にならない性能。
そんな状況を見て発憤したプリンス自動車が第2回日本グランプリで急遽6気筒を搭載した高性能モデルを開発。メインレースでポルシェ904にぶつけてきた。1周ながら904を抜き、伝説になる。日産、スカイラインで巨額の利益を上げましたね。
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