フェアレディZは「手軽で扱いやすいスポーツカー」として世界に影響を与えた初代モデルと2代目モデルは直6エンジンを搭載していたが、3代目モデル以降はV6エンジンを搭載するようになり、フェアレディZとV6エンジンの関係はすでに40年近い。
当記事では昨年9月にプロトタイプが発表され、次期モデルの登場も近づいていることもあり、エンジンを中心にV6エンジン搭載のフェアレディZを振り返ってみた。
文/永田恵一、写真/NISSAN
【画像ギャラリー】V6エンジン搭載フェアレディZの歴史を写真で見る!!
■3代目モデル(Z31型、1983年登場)
3代目フェアレディZは日本車が1970年代のオイルショックや排ガス規制による後遺症から立ち直り始めていた時期に開発されていたモデルだったこともあり、速さに代表されるパフォーマンスを一気に向上させることが大きなコンセプトだった。
という背景もあり、初代と2代目のフェアレディZに搭載されたL型直列6気筒ではパワーアップに対応できず、3代目フェアレディZは同じ1983年に登場したY30型セドリック&グロリアでデビューした新開発となるVG型V6エンジンを搭載した。
3代目フェアレディZの初期モデルに搭載されたV6エンジンは200ZXの2リッターSOHCターボのVG20ET(グロス値で170馬力&22.0kgm)と、300ZXの3リッターSOHCターボのVG30ET(グロス値で230馬力&34.0kgm)の2つだ。
特に後者はトヨタが1986年に初代スープラと2代目スープラに搭載した、グロス値に対し実馬力に近い測定方法となるネット値で230馬力の7M-GTE型3リッター直6DOHCターボが登場するまで日本最強のスペックを誇った。
3代目フェアレディZのモデルサイクル中、日産の6気筒エンジンには1984年登場の5代目ローレルでL型直列6気筒の後継となるRB型も登場し、翌1985年登場の7代目スカイラインで2リッター直6DOHCターボのRB20DETが加わった。
そのため3代目フェアレディZにも、1985年に世界初のアクセル操作に対するレスポンスに優れるセラミックタービンを使ったRB20DET搭載の200ZRが追加されたのだが、このことにはチグハグに感じるところもあった。
その後3代目フェアレディZは1986年のビッグマイナーチェンジで2リッターV6SOHCターボを廃止したが、その際には3リッターV6DOHCのVG30DE(190馬力&25.5kgm)を搭載する300ZRが追加された。
3代目フェアレディZはエンジンこそ新しかったものの、車体やサスペンションは新しいものではなかったため時間が経つにつれ古さが目立つようになったが、それはそれでフェアレディZらしい個性でもあった。
コメント
コメントの使い方