AE86型カローラレビン/スプリンタートレノ人気の火付け役と言えば、ドリキンこと土屋圭市氏。
2012年2月に初代トヨタ86が登場したときに、「この時代にFRスポーツカーを世に出してくれたことを感謝したいね。でも86の乗り出し価格は300万円。
これじゃ若者は手が出せない。若者に楽しんでもらうためにも、まずおじさんが新車で購入して楽しんでもらい、その手放した中古車を若者が購入して楽しむ。そういうサイクルが生まれてこそ、86の価値が高まると思う」と話してくれた。
文/萩原文博 写真/編集部、TOYOTA
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新型86はいよいよ今秋発売
今年で51歳となった筆者にとってこのドリキンの話はAE86が当てはまる。免許証を取得した昭和の終わりにはレビン/トレノの駆動方式はFFになっていて、最後のFRということでレビン/トレノは人気となっていた。
しかし、50万円程度で購入できる中古車もゴロゴロしていて、自分の周りにも3人もAE86乗りがいたのだ。みんなアルバイトで稼いだお金をパーツにつぎ込み、AE86の戦闘力をアップしていった。
すでに約40年近いクルマにも関わらず、現在でもAE86の新しいパーツは開発されて、戦闘力そして耐久性も向上している。こういったショップの力がAE86を名車へと押し上げたのだと思っている。
2020年4月5日、2代目となる86が発表された。車名もGR86へと変わり、搭載するエンジンも2.4Lへと排気量アップされた。開発者に話しを聞くと「初代86の特長である高い旋回性能をより進化させるため、むやみにパワーを上げることは止めました。」と話してくれた。
初代86の低重心を活かした高い旋回性能は、GR86になってさらに磨きを掛けているということなのだろう。今から秋の発売が待ち遠しい。
新型発表で86の中古車市場はビビットに反応
GR86の登場によって、俄然注目が高まっているのが初代86の中古車だ。一般的にはフルモデルチェンジが行われると、先代モデルの中古車相場は下がるもの。今回はまだモデルが公開されただけで、正式発表・発売は先だ。
しかし、中古車相場はビビッドに反応している。2020年3月、約1カ月前における初代86の中古車の平均価格は約211万円だった。
それが現在では約206万円とわずか1カ月で5万円の値落ち幅を記録している。さらに3カ月前まで拡大しても平均価格は約211万円とほぼ横這いで推移していたのにも関わらず、ここに来て約5万円という大幅な値落ちを記録したのだ。
たしかに3月は中古車が最も売れる大需要期で、それが終わったから相場が下がっただけでは。という人もいるだろう。
それは一般的に軽自動車やコンパクトカーなど未使用車と呼ばれる高年式・少走行距離の“おろしたて中古車”が出回るクルマで当てはまるケースであって、86のような趣味性の高いクルマではあまり発生しない。しかも大需要期に入る2月から中古車の流通台数は増加し、現在は約1100台も流通しているのだ。
この数字は国産スポーツカーとしては圧倒的な多さで、ちなみにマツダロードスターが4世代合わせて約1014台。この数字から見ても、初代86が国産スポーツカーの中でヒットしたことがわかる。
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