2021年4月19日に開幕した上海モーターショーで、日産は中国市場向けの新型エクストレイルを発表。注目されていたパワートレインは、「VCターボを搭載する」という発表のみで、e-POWER搭載に関するアナウンスはなかった。
しかし、現地時間同日、欧州日産が発表したリリースのなかには「新型エクストレイルではe-POWER搭載車が入手できるようになる」と、e-POWERの設定を明言。
日産が、新型エクストレイルへのe-POWER搭載を明らかにしたのは、これが初めてだが、日本仕様のパワートレインはどのようになるのか? いよいよe-POWER搭載が確実となった新型エクストレイルのパワートレインを考察していく。
文/吉川賢一 写真/NISSAN
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新型エクストレイル中国仕様のVCターボは超パワフル&低燃費!!
新型エクストレイル(中国仕様)のパワートレインは、排気量1.5Lの可変圧縮比エンジン「VCターボ」と発表されている。
最大トルク300Nm、最大出力150kW(204ps)を発揮するスペックは、排気量を考慮すると、相当にパワフルだ。ボディのリアについている「300」は、最大トルクを表した数値だと推測される。
これに、新世代のインテリジェントCVTを組み合わせ、燃費は5.8L/100km(約17.2km/L)を達成するという。
ライバルとなるミドルクラスSUV勢の燃費は、RAV4(2.0Lガソリン2WD)が15.8km/L、CR-V(1.5Lガソリン2WD)は14.2km/L、CX-5(2.0Lガソリン2WD)は14.6km/Lと、新型エクストレイルのVCターボは、相当に燃費が良い。
つい先日登場した、新型ヴェゼル(1.5Lガソリン2WD、17.0km/L、118ps/142Nm)と同等の燃費で、エンジントルクは2倍とずっとパワフルだ。
欧州日産が「新型エクストレイルe-POWER」発売を公言!!
新型エクストレイルのパワートレインについて、筆者は、2021年2月に発表された、新型キャシュカイのパワートレインがそのまま採用されると予想していた。
1.5LのVCターボを発電専用エンジンとした、「新e-POWER」(以下、e-POWERターボと呼ぶ)と、新開発の12Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた1.3Lの直噴ターボエンジンだ。
キャシュカイとエクストレイルは、プラットフォームを共用する兄弟車であるため、当然、パワートレインも合わせてくると考えており、VCターボのガソリンエンジン仕様が登場するとは、想像もしていなかった。
そこで、日産広報関係者へと電話取材をしたところ、
「上海モーターショーでは、(新型エクストレイルに)中国市場に適した新世代のVCターボエンジン搭載車を発表しました。その他のパワートレインや、日本仕向けとして本VCターボエンジンを搭載するのか、e-POWERを搭載するのか、といった将来の商品ラインアップに関しては、現時点、明言ができません」とのことだった。
しかしながら、4月20日時点で欧州日産が出したプレスリリースに、「新型e-POWERを搭載した新型エクストレイルを、2022年夏に欧州販売開始する」旨が公言されており、このことからも、日本市場向けの新型エクストレイルにe-POWER、しかもキャシュカイと同じ「e-POWERターボ」が搭載されるのは、ほぼ間違いないだろう。
日産は、キックスはおろか、新型ノートでさえも安価なガソリン仕様を廃止し、e-POWER一本としてきた。日本市場では新型エクストレイルもe-POWER一本で挑んでくるかもしれない。
「新型エクストレイルe-POWERについては、日本で発表したい」という思いが、日産にあるのかもしれない。
上海モーターショーでの日産の発表では、中国市場には2025年までに新型シルフィを含む6車種のe-POWER車を用意する、ともされており、おそらく中国仕向けのエクストレイルにも、今後e-POWERモデルが登場するのであろう。
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