近藤真彦ここにあり! 「レースも遊びや趣味でやってるわけじゃないので」

近藤真彦ここにあり! 「レースも遊びや趣味でやってるわけじゃないので」

 自身の不倫問題などでモータースポーツの現場から離脱していたKONDOレーシングの近藤真彦監督。2021年5月16日にオートポリスで開催されたスーパーフォーミュラ第3戦でひさびさにその姿を現した。

 今期はスーパーGTにも姿を見せておらず、メディアの前に姿を見せたのは昨年以来。自動車媒体としてはプライベートでの話題はさておき、今季の流れ、そしてなによりモータースポーツでの近藤真彦監督自身の役割について再度聞いてみた。

 「近藤真彦監督、ここにあり」。モータースポーツチーム監督としての素性、そして今後に迫ります。

【画像ギャラリー】ベストカー限定公開!! サーキットでの近藤監督の全貌

インタビュー:段純恵/写真:段純恵、塩川雅人(ベストカー)
※画像内にはコロナ禍以前に撮影したものも含まれています


■「僕がいなくてもチームは機能していたけどね」

久しぶりにサーキットに姿を見せた近藤監督。スーパーフォーミュラでも気兼ねなくベストカーの取材に応じてくれた
久しぶりにサーキットに姿を見せた近藤監督。スーパーフォーミュラでも気兼ねなくベストカーの取材に応じてくれた

 スーパーフォーミュラの注目選手のインタビューをお届けするこのコーナー。オートポリスで行われた第3戦の今回は、一身上の都合で離れていたサーキットに半年ぶりに姿をみせたKONDO RACING監督の近藤真彦氏を直撃。国内トップチームを牽引する近藤氏の監督活動再開特別編をお届けする。

「僕がサーキットにいなくても、チームはちゃんと機能してたからね」。すこしばかり自嘲の雰囲気を漂わせながら、近藤監督はそう話し始めた。

「でもチームの責任者としての発言が必要な場合、例えば対トヨタ、JRP(日本レースプロモーション)、ヨコハマタイヤといろんな話をしていく上で『KONDO RACINGはどう考えてるんだ?』ってなった時、やはり僕がいないと話が進まない。現場でいろんな人を生の声を聞いて、それをフィードバックするのが僕の役割だから」

ドライバーとメカニックの間に立ち、時にはレースオーガナイザーとの折衝も行う。そこに「芸能人だから」という特権はない
ドライバーとメカニックの間に立ち、時にはレースオーガナイザーとの折衝も行う。そこに「芸能人だから」という特権はない

 そういえば、近藤氏の『監督業』の具体的な役割を改めて聞いたことはなかった。

「メカニカルなことは現場監督の仕事で、僕の役割じゃない。僕の仕事はドライバーを含めた人事の調整。これが一番だよね。もちろん営業もするしお金集めも大変だけど、それより大変なのが人集め。村田卓児、阿部和也という日本でトップクラスのエンジニア2人をチームに入れるのは大変なことなんだよ。でもレースはやっぱり人だから。機械だけでレースは勝てない。人の力がないとね」

 くわえて昨秋、KONDO RACINGは技術アナリストとして元ブリヂストンの菅沼寿夫氏を招聘した。菅沼氏はミカ・ハッキネンとミハエル・シューマッハが熾烈なタイトル争いを展開した1998~2001年、マクラーレン担当のタイヤエンジニアとしてハッキネンとチームの王座獲得に大きく貢献した経歴を持つ。

「菅沼さんは全盛期のF1の、最盛期のマクラーレンでトップで戦ったタイヤのスペシャリスト。もちろんいまのSFとはマシンも違う、ダウンフォースも違う。でも基本的な軸は変わらないんですよ。僕らがタイヤについて道を迷った時に『ちょっと待って。こっちのじゃないの?』といってくれる人がいないと。それで菅沼さんを口説き落として来てもらった。レース関係者はみんなビックリしてるよ。菅沼さんがウチにいるってね」

 定年後はのんびり趣味のカメラで楽しもうと考えていた菅沼氏を再びレースの現場にひっぱり出したのが、近藤監督のレースに対する強い気持ちだったことは想像に難くない。

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