様々な種類があるクルマのなかで、花形とされるのがスポーツカーだ。スーパーカーからコンパクトスポーツまで、その幅は広い。しかし昨今、スポーツカーの数は、めっきりと減ってしまった。
クルマ好きにとって、憧れの的であるスポーツカーだが、販売を任される自動車ディーラーでは、厄介者と扱われることもしばしばだ。一部には、スポーツカーに対する冷ややかな目も存在する。
販売店にとってスポーツカーは、もはや無用の長物なのだろうか。元自動車ディーラー営業マンの筆者が、販売現場におけるスポーツカーの存在意義を考えていく。
文/佐々木亘 写真/TOYOTA、SUBARU
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■数を減らし、隅に追いやられるスポーツカーたち
皆さんは、国産スポーツカーといえば何を思い浮かべるだろうか。
流線形の美しい2ドアクーペ、メーカーチューニングのセダン、ライトウェイトコンパクトや軽スポーツなど、ひと口にスポーツカーといっても、さまざまだ。
実際に、国産メーカーのホームページに掲載されるクルマの中で、スポーツカーを選抜してみた。2021年3月の新車販売台数とともに、紹介していく。
【国産各社のスポーツモデルと販売台数】
●トヨタ:GRヤリス(1240台)、スープラ(120台)、86(408台)
●レクサス:RC F(12台)
●日産:GT-R(106台)、フェアレディZ(46台)
●ホンダ:NSX(1台)、シビックタイプR(357台)、S660(288台)※オーダー終了
●スバル:BRZ、WRX S4(106台)※生産終了
●マツダ:ロードスター(954台)
●スズキ:スイフトスポーツ(1276台)、アルトワークス(単独でのデータなし)
●ダイハツ:コペン(304台)
●三菱:ラインナップなし
ちなみに、2021年3月に最も売れた普通車のトヨタ ルーミーは、1万6504台を販売した。先に挙げたスポーツカーたちとはケタ違いの販売台数だ。単純に台数だけを比べてしまうと、販売台数の伸びないスポーツカーに対して、扱いが冷たくなる現状も理解できなくはない。
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