売れなくても武器!? スポーツカーは販売店にとって「無用の長物」なのか


■それでもスポーツカーは「ファン」を増やすための武器

2012年、86発表会の写真。メーカーやディーラーは自社がラインナップするスポーツカーの存在に助けられている面も多々ある

 筆者は個人的にスポーツカーが大好きだ。クルマが好きで販売店の営業職に就き、スポーツカーは憧れの存在でもある。愛車も燃費性能を考えプリウスにしたが、グレードはG’s(現在のGR SPORT)にこだわった。

 営業マンとして活動していて、スポーツカーの存在に助けられたことも数えきれないほどある。

 スポーツカーを見に来るユーザーは、機械的な興味・運転に対する高揚感など、様々な理由があるが、総じてクルマする強い興味がある方が多いだろう。

 このユーザーを満足させ、購入へとつなげることができれば、そのクルマ・メーカー・営業マンのファンとなってくれることが多く、良いお客様が増えることにもつながる。

 筆者はトヨタを離れ、レクサスでセールスコンサルタントに従事しているとき、スポーツカーの力を最も大きく感じていた。

 自分が担当させてもらっているレクサスオーナーには、積極的にスポーツカーの試乗を勧めた。点検の待ち時間を中心にRC FやGS Fなどに乗ってもらい、普段乗っているレクサス車とは違う、エキサイティングな体験をしてもらうのだ。この活動は、オーナーとの親密度を高めるきっかけになっていた。

 担当しているオーナーをファン化させることが、営業活動を楽しく円滑に、そして効果的におこなうことができる方法だと筆者は考える。非日常を体験できるスポーツカーの試乗は、楽しい時間を共有し、レクサスや私のファンになってくれるオーナーを、増やしていった。

 スポーツカーの存在を、販売店にとって無用の長物と言ってしまうのはもったいない。使い方次第で、良質な営業活動を行ううえでの、大きな武器となってくれる。

 環境面や使い勝手、販売台数においてスポーツカーは、SUVやミニバンなどには勝つことができない。しかし、スポーツカーの力は単純な数字だけでは語り切れないところにある。

 現在の販売現場では隅のほうに追いやられる存在になっているスポーツカーだが、スポーツカーによって営業機会が生み出されることも事実だ。これからも各社の技術を結集させたスポーツカーには、販売活動を陰ながら支えていってほしい。

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