派生車にクロスオーバーのXVがあるうえ、昨年に新型レヴォーグが登場してからは余計に目立たなくなっている感じのあるスバルのCセグハッチバック&セダンの「インプレッサ」。正直なところ、けっこう地味な存在になっているといえるだろう。
しかし、インプレッサの価格は約200万円から設定されていて、これは例えば同クラスのマツダ3と比べると約20万円も安いプライス。
それでいて、新世代プラットフォームによる優れた走行性能やクラストップレベルの居住性&積載性を実現し、そのうえ水平対向エンジンを採用していることを考えると、かなりコストパフォーマンスに優れたクルマといえるのではないだろうか。
そんなインプレッサの魅力をモータージャーナリストの島崎七生人氏は次のように考えているという。
文/島崎七生人
写真/SUBARU、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】見た目は地味だが、実力はピカイチ!根強い人気を誇る「インプレッサ」
■昨年10月にマイナーチェンジして熟成の域に達した
現行インプレッサSPORT/G4の登場は2016年10月。早いものでもう5年以上が経つ。
とはいえ昨年10月の一部改良モデル発表では、インプレッサSPORTに電動技術e-BOXER搭載の2グレード(Advanceと2.0e-L EyeSight)を設定したほか、最上級モデルをそれまでの2.0i-S EyeSightから“STI Sport”に置き換え、同シリーズ初のFFモデルも用意した。
自慢のアイサイトのバージョンアップを始め、毎年、年次改良を受けて今に至るのは、ほかのスバル車と同様で、熟成の域に達したモデルといえる。
そんなインプレッサだが、ここ最近の存在感はどうなの? というのが今回のテーマだ。
■スバルのラインナップのなかで最も上位で堅調に売れているのがインプレッサ
確かに、昨年初のモデルチェンジを受け日本カー・オブ・ザ・イヤーのタイトルにも輝いた2代目レヴォーグ、SUVカテゴリーで時流に乗るXV、あるいは発売間近の新型BRZと、スバル車で何かと話題、注目の車種はほかにもある。
そのなかでインプレッサは、このところ少々控えめなのでは? という気がしなくはない。
そこでちょっと確認してみると、昨年(2020年)1~12月通年の乗用車ブランド通称名別順位(自販連調べ)では、インプレッサは上位50車中の18位につけ、3万6658台(前年比83.7%)を記録していた。
ご存知のように昨年はコロナ禍の影響でスバルに限らず軒並み生産、販売台数の落ち込みを余儀なくされた年だったが、そのなかでスバル車中もっとも上位にランクインしていたのがインプレッサだったのである。
ただしここで認識しておきたいのは、この自販連の統計では、XVの台数もインプレッサとしてカウントされている点。そこで確認してみたところ、2020年4月~2021年3月の“インプレッサ”としての国内販売台数実績は3万1592台、このうちXVは1万8378台(スバル調べ)だった。
つまり差し引き1万3214台(Sport=1万979台、G4=2235台・スバル調べ)が純粋にインプレッサの台数だったことになる。
状況として新型レヴォーグが月販目標を大きく上回る快進撃を見せるなか、販売台数の推移を見ると必ずしも目に余るような落ち込みにはなっておらず、レヴォーグの集客による相乗効果の面も少なからずあったのかもしれない。
コメント
コメントの使い方