アクセラからマツダ3に車名を変更してデビューして半年以上が経過する。マツダは、アクセラ→マツダ3に続き、アテンザ→マツダ6(一部改良)、デミオ→マツダ2(マイナーチェンジ)と一気に慣れ親しんだ日本用の車名をグローバル車名に変更していった。
わかりにくい、数字の車名は味気ない、など危惧する意見もあったが、実際はどのような状況になっているのか気になるところ。
マツダのグローバル車名に統一する戦略はユーザーや販売現場に受け入れられているのか? 販売現場の生の声を通して、遠藤徹氏が考察する。
文:遠藤徹/写真:MAZDA、ベストカー編集部
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マツダ3でグローバル車名統一戦略がスタート
マツダ3は2019年5月24日、フルモデルチェンジを機に車名を従来の「アクセラ」からグローバルで使っている「マツダ3」に変更した。そして5ドアハッチバックモデルはこれまでの「アクセラスポーツ」から「マツダ3ファストバック」に改めた。
半年以上経過した最近までの販売推移はどうなっているか。登録実績だと5月の1682台を皮切りに6月1591台、7月3668台、8月3916台、9月7533台と月を追うごとに増販加速していたのが、10月1891台、そして11月1588台と半年も経たないうちに急ブレーキがかかった状態になっている。
12月から売りのひとつである「スカイアクティブX」搭載車が発売になるのを控えているとはいえ、この状況には大きな懸念材料が残っているに違いない。
こうした実績推移に対して首都圏にあるマツダ店の営業担当者は、「走りやクオリティ、使い勝手、安全性など商品性に対するお客さんの評価はまずまずなのだが、価格が高くなったのに販売店のマージン幅が逆に引き下げられ、値引き余力があまりないので売りにくい」と指摘する。
ネーミングの変更については、「アクセラのほうが親しみはあってお客さんに理解されやすかったが、数字だと味気ない印象がある」とあまり賛成できないコメントをする。
直接のライバルモデルはトヨタカローラ、スバルインプレッサ、ホンダシビックなどが挙げられるが、このなかでマツダ3は値付けが最も高いのに販売店のマージン幅が少ない。
スカイアクティブX車は11月から先行予約を開始しているが、「走りは最高にいいが標準車の2Lより60万円以上も高く、ハイオク仕様だから燃料費も高い。そのうえマージン幅があまりないのでこれまでの受注台数は今一歩の状況で、シリーズ全体の10%程度にとどまっている」と不満顔である。
マツダ6について現場は冷ややか
アッパーミディアムクラスのアテンザは2019年7月4日、マイナーチェンジを機にグローバルで使われている「マツダ6」に変更した。
その後の登録推移は7月434台、8月589台、9月641台、10月249台、11月242台となっている。
アテンザの時とほとんど同じ実績にとどまっている。小幅改良だけのマイナーチェンジであるから、ほとんど影響がない状況にある。
これについては、「名前が変わっただけで中身は同じだから、ほとんど売りはないので、あまり売れ行きがよくないのは当然ともいえる。マーケットニーズの低いステーションワゴンとセダンだから仕方がない面もある。2021年あたりにフルモデルチェンジすれば多少売れるようになるかも知れない」(首都圏マツダ店営業担当者)と冷ややかな表情を見せる。
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