英国生まれのMINIは、長い間、日本で愛され続けてきた輸入車のひとつであり、その知名度は、カブトムシの愛称で親しまれたVWタイプ1にも匹敵する。まさに自動車界のトップアイドルだ。
MINIが日本で愛され続けている理由を探っていく。
文/大音安弘、写真/BMW
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■半世紀以上続くMINIの歴史をざっくりおさらい
そのMINIの歴史は、クラシックMINIとニューMINIの大きく二つに分けられる。
まず原点となるクラシックMINIの歴史を少し振り返ろう。同車は、天才エンジニア、アレック・イシゴニスが手掛けた小型実用車で、1959年に発売以来、改良を加えながら、2000年までの41年間もフルモデルチェンジすることなく生産された。驚くべきロングセラーのひとつである。
当時、スエズ動乱を発端としたオイルショックに苦しむ、英国大衆が入手可能な乗用車として開発が進められ、送り出された。その優れた基本性能と愛らしいスタイルは、幅広い層に受け入れられ、富裕層の街乗りクルマとしても人気に。
さらにジョン・クーパーによるモータースポーツでの活躍も、その名声を高める大きなきっかけとなった。また小型車との親和性の高い日本でも、MINIは長年、多くの人たちに愛されてきた。
特にスポーティなクーパーの人気が高かったため、ミニではなく、ミニ・クーパーが車名と誤解する人も多かったほどだ。
やや余談となるが、1979年からホンダとの提携が行われ、良好な関係を築いていた英国ローバー・グループは、実のところ、ホンダ傘下に収まる可能性もあった。
しかし、1994年に突如、BMWに買収されることに。これがMINIの運命を大きく変えることに。BMW傘下に収まって以降もクラシックMINIの生産は継続されたが、新体制下で新生MINIの開発もスタート。
当初は、ローバー主体のプロジェクトであったが、経営状態の悪化から、プロジェクトはBMW主導のものへと切り替えられた。そして2001年に発表されたのが、現行世代へと繋がるBMW製MINI、通称ニューMINIであった。
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