スポーツモデルは特別なクルマのため、専用のボディカラーが設定される場合もあり、「ボディカラーで印象に残っている」というモデルも少なくない。
ここでは“記憶に残る日本車名スポーツモデルとボディカラー”と銘打ち、特に印象的な組み合わせをピックアップ。
性能で注目されやすいスポーツカーながら、その象徴的な「色」でも自動車史を彩り、人々の脳裏に刻まれている。
文/永田恵一 写真/HONDA、TOYOTA、NISSAN、SUBARU、SUZUKI
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初代ソアラの「スーパーホワイト」
1981年に登場した初代ソアラはトヨタのイメージリーダーとして開発されたモデルである。それだけに、当時最強の2.8L直6ツインカムエンジンの搭載やデジタルメーターをはじめとした多数の新技術の採用など、クルマに対する夢のようなものがギッシリ詰まったモデルだった。
初代ソアラのイメージカラーは、ベージュとブラックの2トーンカラーとなる「ホリゾンタルトーニング」だったが、実際の販売で大人気となったのが初代ソアラで開発された「スーパーホワイト」である。
スーパーホワイトは、明度を上げ、高級感と優雅さを強調したホワイトで、関西ペイントが提案したもの。初代ソアラのあと、クラウンやマークII三兄弟(編注:同車にチェイサー、クレスタを加えた3モデル)などにも設定され、当時のハイソカーの定番色に成長し、スーパーホワイトIVまで進化した。
同時にトヨタ車では昭和の終わりあたりからパールホワイトも登場し、パールホワイトは今では「ちょっと贅沢なボディカラー」として、トヨタ車というより日本車の定番となっている。なお、スーパーホワイトは今もスーパーホワイトIIがチラホラと設定されている。
初代フェアレディZ 240Z-G「グランプリマルーン」
1969年に登場した初代フェアレディZは「手軽なスポーツカー」というコンセプトのもと、開発された。
そのためごく普通のL型6気筒エンジンを搭載し、エアコンなどの快適装備も充実しているという乗用車的な部分も強かったが、このことを大きな理由に特にアメリカで大ヒットし、日本車では珍しい外国車に影響を与えた1台となった。
フェアレディZは、登場後初代スカイラインGT-Rのエンジンを搭載した432系を追加するなどバリエーションを拡充していったが、その1つが240Z系である。
1971年に追加された240Z系は、輸出仕様の2.4L直6エンジンを搭載したモデルで、標準の240Z、ラグジュアリーな240Z-L、ヘッドライトのカバーやGノーズと呼ばれる延長されたフロントノーズなどを持つスポーティな240Z-Gが設定され、240Z-Gには専用色のグランプリマルーンも設定された。
「グランプリマルーン」は、ソリッドカラーで上級の限定グレードであることをアピールするためマルーンが候補に挙がり、赤系の顔料の耐久性が向上したことで実用化できたボディカラーだったという。
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