クルマのサイズの大きな基準の一つだったのが5ナンバーサイズ。かつての主流だっただけに、駐車場スペースの基準になっていたり、狭い住宅街の道幅の基準になっていたこともある。
それだけにどうしてもこだわりたくなってしまうボディサイズだが、今回はやはり5ナンバーにこだわりを持っている清水草一氏に5ナンバーサイズについて聞いた!
文/清水草一、写真/ベストカー編集部
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■徐々に消えゆく5ナンバーサイズ車
5ナンバーサイズとは、全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2m以下のこと。加えて排気量2,000cc以下もクリアすると、「小型自動車」として5ナンバーになる。
しかしこの5ナンバーサイズ、もともと日本独自の規格で、海外との共通性はない。中でも厳しいのは全幅で、他の基準はクリアしていても、全幅だけがオーバーしている車種は多い。自動車市場のグローバル化と、日本市場の相対的な地位の低下によって、5ナンバーサイズの車種はじわじわと減り続けている。
セダンに関しては、グレイスに続いてプレミオ/アリオンの生産もこの3月末で終了し、ついに5ナンバーサイズが日本市場から消滅した。というより、国産セダンそのものが消滅しようとしておりますが……。
徐々に消えゆく5ナンバーサイズ。あれほど5ナンバーに固執していた日本のユーザーも、かなり急速な勢いでそのこだわりを捨てつつある。販売台数上位の顔ぶれを見ても、カローラ、アルファード、ハリアー/RAV4、ヴォクシー、プリウスといったメジャーな面々が、3ナンバー専用車だ。
日本のユーザーが5ナンバーサイズにこだわってきたのは、「3ナンバーは不便」と言われ続けてきたからだ。日本では駐車場をはじめ、様々な規格が5ナンバーサイズを基準に作られていて、幅の広いクルマはその基準に収まらないので、移動の自由が制限されるという思いがあった。
しかし今や、3ナンバーで困るのは、規格の古~い立体駐車場くらいになり、探すほうが難しい。自動車税も、サイズではなく排気量で決まるようになって30年以上経つ。3ナンバーであることのデメリットはほとんどない。その事実がついに、日本市場にも浸透したのである。
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