2021年5月12日、トヨタは2030年に電動車の世界販売台数を800万台程度とする新たな目標を発表した。
800万台の内訳は、EVと燃料電池車(FCV)が約200万台、ハイブリッド(HV)とプラグインハイブリッド(PHV)が約600万台だという。
この発表の影響はどれほどのもので、何を指し示すのか? 自動車評論家・国沢光宏氏に聞く。
※本稿は2021年5月のものです
文/国沢光宏 写真/TOYOTA、Adobe Stock
初出/ベストカー2021年6月26日号
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■そもそもトヨタって、電気自動車の販売台数が極端に少ない
トヨタは2020年度の決算の記者会見で「2030年に電気自動車と燃料電池車の販売台数を200万台にする」と目標値を明らかにした。
ちなみに2020年度は両方合わせて1万台以下。現在の200倍以上を目標にする、ということです。
そもそもトヨタって電気自動車の販売台数が極端に少ない。
この点を見て、自動車業界を知らない一般メディアの記者さんたちにとってみれば「トヨタの電気自動車戦略は大きく遅れている」になるんだろう。
台数だけで判断したら「そのとおり」だと思う。
なんでトヨタが電気自動車を積極的に作らないのだろうか? 答えは明白かつ簡単だ。「ユーザーの利益にならないから」です。
私のように10年前、電気自動車に飛びついたユーザーは、カンペキな人柱になった。
高価な買い物だったのにも関わらず、数年後にバッテリー容量が少なくなり始め、日産もまったくフォローしてくれない。
リーフを発売した頃の日産は「電池が進化したらバージョンアップした電池に交換できるようにする」と言ってたけど、反故。
顧客第一主義のトヨタからすれば「電気自動車を売ってもお客さんに損をさせてしまう」になるということなんだろう。そのわりに初代MIRAIのお客さんは厳しい修行になりましたけど。
閑話休題。
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