日本車はウインカーが「右」、ワイパーは「左」、輸入車は基本的にウインカーが「左」、ワイパーが「右」というのは長年変わらない法則である。
昭和の時代に日本で販売された輸入車は、左ハンドル車が多かったため、この区別は明確だったが、平成に入り輸入車も右ハンドルがほとんどという時代になると、クルマを乗り換えた際にウインカーとワイパーを混同することも多い。
そのため、「いっそのこと、日本車も輸入車と同じ左ウインカー、右ワイパーに統一してもいいのでは?」と感じることもある。
そこ、本稿では「日本車と輸入車でウインカーとワイパーの左右が違う理由」を改めて考察してみた。
文/永田恵一
写真/Honda、Adobe Stock、Daimler、Ford
【画像ギャラリー】2020年国産販売台数首位ヤリスと輸入車モデル別首位MINI 両車のハンドルなど内外装を見比べてみる
なぜ日本車と輸入車でウインカーの位置は違う? 「左」ではいけない理由とは
結論から書くと、答えは簡単で「日本車はJIS(日本工業規格)により、ウインカーが右、ワイパーが左、日本仕様以外の日本車と輸入車の多くはISO(国際標準化機構)でウインカーが左、ワイパーが右」と決まっているからだ。
考えてみると、普段あまり意識することもなく、現代はDレンジのある2ペダル車がほとんどという時代ではあるが、MT車では交差点などでウインカーとシフトの操作が重なるというケースもある。
こうしたケースでは右ハンドル車ならウインカーレバーを右側に、左ハンドルなら左側にというのは理にかなった配置である。
また、昔から日本仕様はJISの右ウインカー&左ワイパーで、それ以外の海外向けは基本的にISOに従っている日本車というのは、日本らしいおもてなしがあるというか、各国のニーズに対応しているという意味では素直に素晴らしいと思う。
逆にウインカーとワイパーをJIS規格に準じている日本向けの輸入車がほとんどないのは、JISに対応する小さくないコストが掛かるからで、不親切とも解釈できるが、後述するように費用対効果やJIS対応によるコストアップ(≒ユーザーの負担増)を考えれば、これもわからない話ではない。
コメント
コメントの使い方