今は世界的にSUVの人気が高い。日本では実用的で割安なコンパクトカーの売れ行きも好調だ。そのために、この2つのカテゴリーの特徴を併せ持つコンパクトSUVも注目されている。
特に最近は新型車の投入が活発で、2019年にはトヨタライズ、2020年には日産キックスとトヨタヤリスクロス、2021年にはホンダヴェゼルも新型になった。設計の新しいコンパクトSUVが出そろっている。
そこでこの4車を比べてみたい。パワーユニットは、ライズが直列3気筒1Lターボ、キックスは直列3気筒1.2Lをベースにしたハイブリッドのe-POWER、ヤリスクロスは直列3気筒1.5Lのノーマルタイプとハイブリッド、ヴェゼルは直列4気筒1.5Lのノーマルタイプとハイブリッドのe:HEVを搭載する。車種によってパワーユニットも異なる。
文/渡辺陽一郎
写真/ベストカーWeb編集部、TOYOTA
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■居住性、積載性、運転のしやすさなどの「実用性」で選ぶと?
最も実用性が優れているのはヴェゼルだ。コンパクトSUVでも、車内はCR-VのようなミドルサイズSUV並みに広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ2つ半の余裕ができる。
プラットフォームは先代型と共通で、燃料タンクを前席の下に搭載したから、荷室の床も低い。シートアレンジは4車種の中で最も多彩だ。居住性と積載性が優れ、ファミリーカーとしても使いやすい。
全長は4330mmと少し長く、最小回転半径は5.3~5.5mと若干大回りだが、水平基調のボディだから視界は良い。ボディの四隅も分かりやすく運転しやすい。
実用性の2位はキックスだ。後席にも相応の広さがあり、ヴェゼルと同じ測り方で、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ2つ弱の余裕を持たせた。ヴェゼルほどの広々感はないが、大人4名が快適に乗車できる。
後席を使っている時の荷室長(荷室の奥行寸法)は、ヴェゼルよりも余裕がある。4名乗車時の居住性はヴェゼルが勝るが、積載性はキックスが優れている。全長は4290mmだからヴェゼルよりも短く、最小回転半径も5.1mに収まる。
3位はライズだ。前述の測り方で、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ少々と少ない。大人4名の乗車は可能だが、後席は窮屈に感じる。荷室長は4車の中では最も短いが、ほかの車種と比べて大きな差はない。ファミリーカーとして使えるだけの居住性と積載性を備える。
しかもライズの全長は3995mmだから、取り上げた4車の中では唯一4mを下まわる。全幅も1695mmなので、ライズだけは5ナンバー車だ。最小回転半径は、GとXが4.9m、Zでも5mだから、狭い裏道や駐車場でも運転しやすい。
4位はヤリスクロスになる。後席の足元空間はライズに近い。荷室の床面積はライズよりも広いが、リヤゲートを寝かせたから背の高い荷物は積みにくい。全長は4180mmだから、ライズよりも185mm長いが、最小回転半径は5.3mで取りまわし性は満足できる。
●この項目の順位
★1位:ヴェゼル
・2位:キックス
・3位:ライズ
・4位:ヤリスクロス
コメント
コメントの使い方クロスビー、イグニス、エスクードは⁈なぜスズキ社がまるっきり忘れられているのでしょうか。ライズよりクロスビーが優れていることは明白ではないでしょうか。