「Creative Touring」レクサスブランドのコンパクトハッチバック、CTの名前の由来である。2011年1月に登場し、2014年と2017年にマイナーチェンジを行うものの、フルモデルチェンジは一度も行われず、現行型のモデルライフは10年を超えた。
CTは、強烈な人気があるとは言えないものの、この10年間ドロップアウトせずに生き残ってきた。この原動力はどこにあるのだろうか。レクサス販売店にて、セールスコンサルタントとして従事してきた筆者が、CTに秘められた力を解説していこう。
文/佐々木 亘、写真/LEXUS
【画像ギャラリー】女性ユーザーをターゲットにした『おもてなし』が光る!! レクサス CTの魅力を探る
■女性ユーザーを主たるターゲットにしたCT
CTはレクサス販売店にとって、待望のクルマだった。
それまでは、大型のクルマしか取り扱いが無く、せっかくLSやGSなどのメインカーを購入してもらっても、オーナーの家で使用しているもう一台のクルマは、メルセデスやBMW、VWなどのコンパクトカーになってしまう。レクサスには、セカンドカー需要を満たすだけのラインナップが無かった。
そこで登場したCTは、セカンドカーとして使われることを前提に、機能性や装備にこだわった。特にセカンドカーは、メインカーと比べて、圧倒的に女性ドライバーの比率が高くなる。そこでCTには、女性オーナーを魅了する、数々の工夫が施されている。
内外装のデザインや、シートのリフト幅、小ぶりなステアリングなど、小柄な女性でも使いやすくしているのはもちろん、CT独自のこだわりが随所に溢れる。
筆者が特に驚いたのは、アウトサイドドアハンドルを握った瞬間だ。皆さんも機会があれば、CTと他のレクサス車のドアハンドルを、握り比べて欲しい。
CTのアウトサイドドアハンドルの内側ドア部分、つまり、くぼみの部分は、他のレクサス車に比べて大きく深くなっている。
ドアハンドルの内側は、知らないうちに、爪のひっかき傷が増えていく。特に、ネイルにこだわり、爪のお手入れに余念がない女性オーナーが、クルマに乗るたびに、爪をひっかけ、ぶつけてしまっては、オーナーもクルマも具合が悪いだろう。
そこで、CTではドアハンドルの内側を深くえぐり込み、爪が接触することを防いでいる。細かなことだが、高級価格帯の輸入車や、他の国産車でも、こういった配慮があるクルマは少ない。
これは、レクサスの「おもてなし」の一つだ。CTは、十分なレクサスらしさを感じられるクルマの一つである。
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