も、もう10年選手なの!? レクサスCTの超堅実な生きざまと今後

■セカンドカー需要がCTの販売を支える

CTの売れ行きは派手ではないがコンスタントに一定の台数が売れ続けている。登場から10年を経ても売れるというのは販売店側にしてみればありがたい存在だ
CTの売れ行きは派手ではないがコンスタントに一定の台数が売れ続けている。登場から10年を経ても売れるというのは販売店側にしてみればありがたい存在だ

 CTは、2011年の発売当初、わずか1か月で月販目標台数の約5倍となる、7,500台を販売した。輸入車や国産他メーカーからの乗り換えが約4割を占め、新しいレクサスユーザーを作り出すことに成功したクルマだ。

 一方で、直近の販売台数は、人気のSUVなどには大きく及ばない。2021年6月の新車販売台数は195台だ。モデルライフが7年と長く、今年秋に新型投入が決まっているNXでも567台(HVとガソリン合算)売れている。単月だけみれば、CTの販売台数は決して十分なものとは言えないだろう。

 しかし、5月に131台、4月は132台、3月では190台と、コンスタントに販売台数を稼いでいるのが、CTの特徴だ。良くも悪くも大きな変動がない。国内にあるレクサス販売店は、CPO専売店も含め199店舗ある。大体1店舗で月に1台はCTが売れている計算だ。販売店にとっては、計算が立つ貴重な一台となっている。

 モデルライフ10年を超えるCTの今は、コンスタントに販売が進む、セカンドカー需要が支えていると言っても過言ではない。

 CTは、派手ではないものの、レクサスの国内販売を下支えする存在だ。10年を超えても、堅実に数字を積み上げてくれるCTは、レクサス販売店にとって、大切な存在となっている。

■販売現場にいる、CTの根強いファン

ユーザーから愛されるのはもちろん、販売現場にもCTの根強いファンがいる。もしラインナップから消えるようなことがあればユーザーと販売店の両方から猛反対が起きるだろう
ユーザーから愛されるのはもちろん、販売現場にもCTの根強いファンがいる。もしラインナップから消えるようなことがあればユーザーと販売店の両方から猛反対が起きるだろう

 もしCTが販売不振や人気がないからと、レクサスラインナップから消されるようなことがあった場合、全国のレクサス販売店から、猛反対が起こるだろう。販売店にとってのCTは、多くのオーナーをつなぎとめている鎖のような存在なのである。

 CTオーナーは、他のレクサス車に比べて、ブランドよりも車種のファンが多い。レクサスのファンというより、CTのファン度合いが強いため、ラインナップからCTが消えた場合、そのファンも、ごっそりといなくなる可能性が高いだろう。

 CTは国産車として唯一無二の存在であり、多くのファンがいる。そしてレクサスというブランドを世の中に広めた存在でもあるのだ。10年もの間、一度もフルモデルチェンジをしなくとも、生き残れている理由は、販売店やオーナーからの、変わらない支持の力があるからだと筆者は考える。

 一方で、販売現場ではCTに対する辛辣な意見が聞かれることもある。「あれはレクサスらしくない」「レクサスのブランドイメージを下げている」といった声を、筆者も幾度となく聞いている。

 ただ、現在のレクサスの知名度や、ブランドとしての存在感を高め、販売店の売り上げを助けてきたのは、CTだ。SUV人気に押される形で、モデルチェンジの波から取り残されているが、いずれまた主戦場へ戻れるような大きな改良が行われることを期待している。

 光と影、どちらの仕事もできるCTは、レクサスの中でも、特に販売店を強く支える、頼れる存在なのである。

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