高い信頼性とユーザーに寄り添う作りがウリの日本車。だが、クルマとしてのデキ、魅力を世界レベルで見た場合、どれほどの高評価が得られるのだろうか?
あえて価格を重視せず、クルマのデキと魅力で世界のライバルたちと競わせてみた! 今回は日本車の得意分野ながら、輸入車も個性派揃いのコンパクトカー編!
●トピック
・コンパクトカーのワールドランキングトップ10
・ランキングは上位独占も… 日本車に足りない部分はここにある
※本稿は2021年6月のものです
文/渡辺陽一郎 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年7月26日号
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■コンパクトカーのワールドランキングトップ10
今のクルマの価格は約20年前の1.2~1.3倍に上がった。安全装備や運転支援機能が充実したからだ。
いっぽうで日本の平均所得は20~25年前よりも低下。その結果、小さなクルマに乗り替えるユーザーが増え、コンパクトカーを家族で使う世帯も増加。
販売も好調で、国内新車販売の小型/普通乗用車の約40%をコンパクトカーが占める。
このニーズに最適な車種が1位のフィットだ。燃料タンクを前席の下に搭載して空間効率を高め、全高は立体駐車場を使える高さに抑えながら後席の足元空間はLサイズセダン並みに広い。
荷室容量は大きくシートアレンジも多彩だ。ハイブリッドはモーター駆動が基本で、低燃費と滑らかな走りを両立させた。
2位はノート。現行型はハイブリッドのe-POWERのみを搭載し、プラットフォームはルノールーテシアと共通だ。先代型に比べると、動力性能、安定性、乗り心地、内装の質を高めた。後席も相応に広く、ファミリーカーの実用性と上質感を併せ持つ。
3位はコンパクトカーの実用性を徹底追求したソリオだ。全長が3790mmと短いために狭い裏道でも運転しやすく、全高は1745mmに達するから車内も広い。4名で快適に乗車でき、後席を畳めば自転車も積みやすい。
車両重量は1トン以下だから走りも軽快で、マイルドハイブリッドにより燃費も優れている。商品力はライバル車のルーミーを上回る。
以上の上位3車は大多数のニーズに合わせた実用志向の買い得車だが、4位のプジョー208は特徴が異なる。後席が狭くファミリーには不向きだが、乗り心地は日本車では対抗できないほどに上質だ。
峠道のカーブを曲がる時にはボディを相応に傾かせるが、挙動の変化が穏やかに進んで後輪の接地性も高いため、乗員を不安な気分にさせない。走りの熟成度が高い。
5位のヤリスは後席が狭く乗り心地は硬いが、ハイブリッドのWLTCモード燃費は35.4~36.0km/Lに達する。日本の乗用車では最良の燃費数値を達成して、衝突被害軽減ブレーキも先進的だ。
6位はスイフト。実用性も燃費も普通で特徴がわかりにくいが、売れ筋グレードの車両重量は900kg前後と軽く、運転感覚は軽快だ。
内装のデザインはオーソドックスだが、ていねいに作り込んだ。なじみやすく気持ちよく使えることが特徴。
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