「軽バン」なぜ大合併? 褪せぬ最強の実用性と転機迎える働く車の新事情

「軽バン」なぜ大合併? 褪せぬ最強の実用性と転機迎える働く車の新事情

 2021年9月1日に、軽商用バンのスズキ エブリイとエブリイワゴンが一部改良を行った。法規の対応も視野に入れ、ライトを自動的に点消灯させるオートライト、横滑り防止装置を全車に標準装着している。そこで改めて軽商用バンについて考えたい。

文/渡辺陽一郎、写真/SUZUKI、DAIHATSU、HONDA、編集部

【画像ギャラリー】未掲載写真あり!エブリイ&ハイゼットカーゴ&N-VANの内外装をチェックする


今やスズキ、ダイハツ、ホンダしか作らない軽バン

2021年9月13日、スズキ エブリイは法規整備と安全装備を充実させ、一部改良を行った。OEM車は日産 NV100クリッパー/マツダ スクラムバン/三菱 ミニキャブバンである
2021年9月13日、スズキ エブリイは法規整備と安全装備を充実させ、一部改良を行った。OEM車は日産 NV100クリッパー/マツダ スクラムバン/三菱 ミニキャブバンである

 まず軽商用バンで注目されるのは、OEM車を除くと3車種しか用意されないことだ。スズキ エブリイ、ダイハツ ハイゼットカーゴ、ホンダ N-VANに限られる。

 このうち、エブリイとハイゼットカーゴは、後輪駆動をベースにした軽商用車専用のプラットフォームを使う。N-VANは軽乗用車のN-BOXをベースに開発され、駆動方式も前輪駆動と4WDになる。

 そしてエブリイは、OEM車として日産 NV100クリッパー/マツダ スクラムバン/三菱 ミニキャブバンとしても販売されている。乗用車メーカー8社のうち、供給元のスズキも含めると、4社が実質的に同じクルマを扱っている。

 ハイゼットカーゴも、スバル サンバーバン、トヨタ ピクシスバンとして2社に供給され、ダイハツも含めると3社が販売する。

ダイハツハイゼットカーゴのOEM車はスバル サンバーバン、トヨタ ピクシスバンである。2021年8月における月平均届け出台数はOEM車分を含めて7523台だった
ダイハツハイゼットカーゴのOEM車はスバル サンバーバン、トヨタ ピクシスバンである。2021年8月における月平均届け出台数はOEM車分を含めて7523台だった

 2021年1~8月の1か月平均届け出台数は、エブリイが5102台だったが、OEM車のNV100クリッパー/スクラムバン/ミニキャブバンを加えると8314台に達する。エブリイバン+OEM車の販売総数は、乗用車でいえばスズキ ハスラーの7638台を上まわる。さらにワゴン仕様まで加えると月平均1万370台だから、スペーシアの1万2373台に迫る売れ行きだ。

 ハイゼットカーゴの2021年1~8月における月平均届け出台数は5898台で、OEM車も加えると7119台だ。ハイゼットカーゴ系はワゴンが少なく、これを加えても7523台だが、タフトの5329台は大幅に上まわる。

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