ネットオークションを含む個人売買など、一部の例外を除き、クルマを購入する際に相対するのがディーラー(もしくは自動車販売店)のセールスだ。
値引きをはじめとする各種交渉ごとから納車日の決定・・・などなど。1台のクルマが納車されるまでにさまざまなやり取りをしなくてはならない。
ローンを組む時には自分の年収など、親しい友人にすらなかなか話したことがないような、かなりコアな部分の個人情報を伝える場面もある。それだけに、気持ち良く商談したいというのが多くのユーザーの偽らざる本音だろう。
しかし、そこは人間同士。時には「相性がよくない」組み合わせに出くわすこともあるし、家族ぐるみの付き合いになるほど良い関係がスタートすることもある。
今回、自他ともに認めるクルマ好きやそうでないユーザーへの取材を通じて苦いエピソードを7つにまとめたほか、記憶に残るエピソードも紹介する。また、幼少期に体験した「カタログ入手悲喜こもごもエピソード」も併せて紹介する。
「1台のクルマを購入するという行為」において、実はさまざまな人間ドラマが凝縮されていることに気づいていただければ幸いだ。
文/松村透
写真/松村透、日産、Adobe Stock
【画像ギャラリー】「親ガチャ」があるように「セールスガチャ」も・・・決して他人事ではない
■最近耳にする「親ガチャ」とは?
ネットなどで目にしたことがあるかもしれない「親ガチャ」。明確な定義はないようだが「子どもが親を選べない」という境遇をホームセンターなどで見かけるガチャガチャ(ガチャポン)を例に挙げた比喩というのが定説だ。
つまり、ガチャガチャにお金を投入しても、何が出てくるか分からない。カプセルのなかに自分が欲しいと思っていたアイテムが入っていれば「あたり」だが、そうでない場合は「はずれ」である。この事実(中身)が自分の親だとしたら・・・。
私事で恐縮だが、筆者自身、子育ての真っ最中だ。子どもに必要最低限の生活環境を用意できているつもりではいるが、果たして「親ガチャなら、自分はあたり」と断言できるかというと非常に悩ましい。
幸い、子どもはまだ小さいので、親ガチャという言葉が流行っていることを知らないことがせめてもの救いだ。
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