■自動車ディーラーにも存在する「セールスガチャ」とは?
かなり大上段な見出しからはじめてしまったが、日常生活において「親ガチャ」以外にもさまざまな「ガチャ」が存在することに気づく(この表現がどうかという問題はさておき)。
たとえば、学校の先生もそのひとつだろう。最低でも1年間は担任として多くの時間を共有することになる。
相性のよい先生であれば長い付き合いになるかもしれないし、その逆であればトラウマレベルの経験をすることになる可能性もある(筆者も、小学校5年生の時の担任に受けた仕打ちをいまだに忘れられずにいる)。世代や個人差もあるだろうが、良きにつけ悪しきにつけ、さまざまな記憶が甦ってきているはずだ。
それはクルマの世界においても例外ではない。クルマを購入する際、大半のケースはディーラーなどの販売店を介している。
そうなると担当セールスが購入前はもちろん、ユーザーがそのクルマを手放すか、担当者が辞めたり替わるまで付き合いがつづくことになる。それをいわゆる「セールスガチャ」と呼称してみた、というわけだ。
親ガチャとは異なり「セールスガチャ」はチェンジが利く・・・ではやはり済まされない。一大決心をして100万円単位以上のクルマを購入したのに、セールスの対応が不満だからと即座に買い替えといった荒技ができるユーザーは少数だろう。
つまり、少なくともそのクルマを所有しつづけている間は何年も「しこり」を抱えることになるわけだ。
■ディーラーで受けた7つの苦いエピソード
今回、ディーラーで受けたエピソードについて取材したところ、ここでは紹介しきれなくらいのボリュームとなってしまった。
日々、運転していればカチンとくることがあるように、ディーラーとの接点においても、メーカーやブランドを問わず何らかの形で苦い経験があることが分かった。そのなかでいくつかのエピソードをピックアップしてご紹介する。
さまざまな事情を考慮して、固有名詞を伏せた形であることはご容赦いただきたい。
◎1.勝手に「あなたは買わないでしょ」な人に認定された
2シータースポーツカーで、後に妻となる彼女とあるミニバンを観に行った時のことです。スタッフの方にお客様駐車場に案内され、店内へ通されたまではよかったんです。
近づいてきたセールスさんが「何をお探しですか?」と訪ねてきたので「展示されているミニバンを・・・」と伝えたところ「2シーターに乗る方がミニバンなんて買うんですか? 」とおっしゃった時は愕然としました。
カップルがデート中にディーラーに寄ったと勘違いされたのでしょうか。結婚することも決まっていたし、子どもが産まれることを見越してミニバンを考えていたのですが・・・。
これを機にミニバンが嫌いになり、この一件以来、ウチはSUVに乗っています。
◎2.軽トラで行った時と普段用の対応の違いに愕然・・・
仕事帰りの移動中にとあるディーラーで見かけたセダンタイプのクルマに一目惚れ!
普段の移動は軽トラックで、作業着のまま乗り込んだ私もいけなかったのかもしれませんが、たまたま応対したセールスが「(ここはオマエの来るとこじゃないぞオーラ全開で)どういったご用件でしょうか?」と、あきらかに歓迎ムードではない雰囲気。
後日、休日にそれなりの身なりで再度来店してみると、前回と同じセールスが対応。開口一番「いらっしゃいませ!何をお探しですか?」と大歓迎ムード。
「この間、軽トラで来た者ですが、覚えていますよね?」と話しかけると一気に気まずい雰囲気に・・・。
「その節は申し訳ありませんでした」のひと言もなかったので、そのまま近隣にある別のディーラーに赴き、契約してしまいました。自宅からは遠くなったけれど、気持ちよい対応をしてくれるので満足しています。
◎3.他メーカーのクルマを誹謗中傷
とあるハイブリッドカーを商談中の時のことです。自社のクルマはべた褒めするんですが、ライバル車のことを「けちょんけちょん」にけなすんです。
確かに、燃費やデザインなど、他車より優れていると思ったから買いに来たわけですが・・・。
そういう教育をされているのか、それともたまたま応対してくれた方の性格なのかは分かりませんが、このセールストークのおかげで購買意欲が一気に冷めてしまったことは確かです。
結局、この時は買い替えることなく車検を通しました。
◎4.憧れのメーカーやクルマに否定されたような気分に・・・
もうかなり前のことですが、初の愛車を買うのであちこちのクルマ屋さんをめぐっていました。
買えないけれど、憧れのクルマが置いてあると聞き、とあるディーラーに行ってみたんです。憧れのクルマを目の前にしてテンションアップ。
自分がクルマを買える一歩手前まできたという喜びと、憧れのクルマをいつか買えるかもしれないという高揚感から傍目にはハイテンションな若者に見えたのかもしれません。
つかつかとセールスが近寄ってきて「むやみに触らないでくれます?」ときついひと言。たしかに勝手に盛りあがっていた自分も悪いと思いますが、憧れのメーカーやクルマに否定されたようで悲しかったですね。
まだまだ仰天エピソードがある。
◎5.試乗中、リアシートに寝っ転がって居眠り・・・
20代だった当時、自分としては一大決心をしてとあるディーラーに試乗に行きました。一人では怖いので友人に付き合ってもらって。向こうも買えないことは百も承知で試乗車を用意してくれたんです。
これまで、運転席すら座ったことがなかったクルマを自分が運転しているという感動に浸っていた時、ふとルームミラーに目をやると・・・同行してくれたセールスがリアシートに膝をついて寝っ転がっていたんです。
さすがに目が合った瞬間に座り直していましたが(笑)。あの時の悔しさをバネに、年式は違うけれど同じ車名のクルマを買いました。中古車ですけれどね。そういう意味ではこの時のセールスに感謝なのかも。
◎6.その場で契約できないと分かるとセールスの態度が一変・・・
初めてクルマを購入する時、いろいろなメーカーとディーラーを見て回った時のことです。
あるディーラーにその旨を伝えたところ、わざわざ自宅まで迎えに来てくれたんです。
商談中に「事情があってすぐには契約ができない」旨をセールスの方に伝えたところ、態度が一変。
自宅はもちろん、最寄り駅まで送ってくれないことになり、仕方なく徒歩で駅まで行き、電車で帰宅しました。結局、このメーカーのクルマを買ったのですが、他のディーラーで契約したことはいうまでもありません。
◎7.当時所有していたクルマのエンジンに・・・
真夏の高速でオーバーヒート。ヒーター全開で高速から降りたのですが、タービンが熱でブロー、その後、エンジンも不調に・・・。
当時所有していたクルマのパワステポンプをディーラーで交換したあと、電動ファンのカプラーを付け忘れて納車されたことが発覚しました。さらにエンジンASSY交換(走行1.6万kmの時)になった時はリビルトエンジンが載せられました。
他にもデフオイルの入れ間違えで、こちらもデフがブロー。トルセンLSDがバキバキの機械式LSD状態になって大変でした。
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