ガソリン価格の高騰が続いている。経済産業省が発表した2021年10月18日の調査結果では、レギュラーガソリンの全国平均価格は1リットルあたり164円60銭と7週連続の値上がりとなった。
これほどガソリンが価格高騰している原因と、この先の見通しについて考察した。
文/藤田竜太、写真/AdobeStock(トビラ写真=K&R@AdobeStock)
■ガソリン価格高騰は複合的な原因
今ガソリンが恐ろしく高い。
2021年10月20日に経済産業省が発表した10月18日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、164円60銭だった。これは7週連続の値上がりで、2014年10月以来およそ7年ぶりの高値になる。
1年前の2020年10月のレギュラーガソリンの全国平均価格は134円20銭だったので、22.7%も値上げしている。
なぜこのタイミングでガソリン価格がここまで上昇してきているのか。一番の理由は、原油価格が高いから。OPEC加盟国と非加盟国のロシアやメキシコなどで構成する「OPECプラス」は、コロナ禍で昨年から大規模な協調減産を続けている。
10月4日にはOPECプラスの閣僚級会合が開催されたが、需要の先行き不透明感を理由に大規模な増産対応は見送ることを決定。
さらに米政府が戦略石油備蓄の放出を見送ると伝わる一方で、新型コロナウイルスの感染が落ち着き始めて需要が増える見通しもあり、10月12日の米ニューヨーク市場では、原油先物価格が一時、約7年ぶりに1バレル=82ドルを超えてしまった。
新型コロナの影響で、世界中で航空機の減便が続き、物流が滞っている現状では、OPECプラスも増産に慎重で、このまま新型コロナの感染拡大が収まっていけばいいのだが、新たな変異株が登場し、世界情勢は一気に不安定になるので、それを見極めたいというのが本音なのだろう。
また、8月下旬に大型のハリケーンがアメリカ南部に次々上陸。メキシコ湾の海上油田施設が被害を受けた影響なども響いている。
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