マツダが新たな高度運転支援技術発表!!「マツダらしさ」は自動運転時代に生き残れるか

マツダが新たな高度運転支援技術発表!!「マツダらしさ」は自動運転時代に生き残れるか

 トヨタや日産、ホンダといった各メーカーが続々と自動運転(高度運転支援技術)に関する新技術を発表するなか、マツダも自社開発技術を発表した。「MAZDA CO-PILOT CONCEPT」と名付けられたその技術は、マツダの公式発表によると2022年の発売車種に「1.0」が搭載され、2025年にはさらに進化した「2.0」が搭載されるという。

 どうもトヨタやホンダが進めている自動運転技術とは、ちょっとだけ目指す方向、尖らせている角度が違うという。マツダの開発する高度運転支援&自動運転技術は、どこらへんがマツダらしいのか。そもそも自動運転時代にそのメーカーらしさというものが発揮できる余地はあるのか? じっくり伺った。

文/西村直人
写真/MAZDA

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■ドライバー支援というより「もうひとりの副操縦士」

 筆者は今、「MAZDA CO-PILOT CONCEPT2.0」を搭載したプロトタイプモデルを運転しています。場所は高速道路に見立てたテストコースの高速周回路。80㎞/hで巡行中です。

マツダの社内テストコースで試乗。マツダの最先端運転支援技術のポイントは「副操縦士のような感覚」。なるほどマツダらしい…
マツダの社内テストコースで試乗。マツダの最先端運転支援技術のポイントは「副操縦士のような感覚」。なるほどマツダらしい…

 このとき、急病により意識を失ったことを想定してステアリングから手を放し、上半身を助手席側へと大きく方向けました。隣の車線には併走する車両がいることから接触の可能性も高まります。わかりやすく危険な状態です。

 手を放してから約3秒が経過。車内には警報チャイムと、警告文のディスプレイ表示(メーター、ヘッドアップディスプレイ、カーナビゲーション画面)でシステムによる自動走行状態が機能したことを知らせます。同時に、音声でもその旨が伝えられます。

 自動走行状態は、既存のマツダ各モデルが搭載するi-ACTIVSENSEで使用するアプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)機能と車線中央維持(LK)機能の進化版で作りだします。車両は周囲の交通状況を乱すことなく自動走行状態のまま進み、安全に停止できる場所で自動停止を行ないました。 

 ディスプレイ表示や音声による報知は意識を失ったドライバー向けというより、助手席や後席の同乗者向け。ドライバーに異常が発生したことを知らせつつ、すでにシステムがバックアップ運転を行なっているのでパニック状態に陥らせないよう促すことが目的です。

 これまでの一連はMAZDA CO-PILOT CONCEPT2.0による「ドライバー異常時対応システム」(EDSS/Emergency Driving Stop System)が発動した際の制御内容です。

 特別なスイッチ操作など一切することなく、システムはドライバーの運転操作を常に見護りながら(ゆえに副操縦士とも訳される 「CO-PILOT」)、急病発生など万が一の際には周囲の交通環境に沿って安全に車両を停止させます。

 言い換えれば、MAZDA CO-PILOT CONCEPTはドライバーが能動的に使う自動運転技術ではなく、緊急時に事故を抑制する高度な運転支援技術との位置づけです。

 マツダでは2022年に発売される新車に「MAZDA CO-PILOT CONCEPT1.0」を搭載し、その後2025年に「MAZDA CO-PILOT CONCEPT2.0」を搭載していくとしています。

 MAZDA CO-PILOT CONCEPTの開発背景にはEDSSが深く関係します。

ステアリングの真ん中に設置されたカメラでドライバーの状態をチェックして異常を感知するシステム。ダッシュボード中央部に特設されたモニターが見える
ステアリングの真ん中に設置されたカメラでドライバーの状態をチェックして異常を感知するシステム。ダッシュボード中央部に特設されたモニターが見える

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