ネットオークションやフリマサイトに「使用済みナンバープレート」が出品されている。しかもそこそこ高額で。え、どういうこと? 売れるの? そもそも売ってる人はどうやって手に入れたの? 外した? 外していいの? そして調べていくと、今年(2021年)夏頃からナンバープレートのフリマアプリへの出品は激減、いっぽうで海外のフリマサイトでは人気継続中とのこと。え、え、これっていったい全体、どういうこと??
文/加藤久美子
写真/加藤久美子
■使用済みの「富士山ナンバー」なんと1枚3万円以上!
住所変更や抹消登録、汚損したり曲がったりしたナンバープレートの交換などで不要になった使用済みのナンバープレートは、運輸支局及び手続きを行ったディーラーなどに返納する義務がある。
しかし、現在はこれらの使用済みナンバープレートを記念に取っておきたいという人たちのために「記念所蔵」という方法が認められている。
2017年4月から「ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート」の交付が開始されることに伴って導入された制度で、ナンバープレートに直径40mm以上の穴を開ける「破壊措置」を行い使えないようにすることが条件だ。穴あけの作業は数百円の手数料を納めて通常、運輸支局で行う。
穴あけは盗難車の逃走用に使われたり、ナンバーのないクルマに取り付けたり、不正使用を防止することが目的だ。
その「記念所蔵」のナンバープレートが昨今、ネットオークションやフリマサイトなどに出品され高額で落札されているのをご存知だろうか? 一例を挙げてみよう。
上記は「ヤフオク!」で過去に落札された使用済みナンバープレートである。人気が高い富士山ナンバーが2枚セットで68500円という高額にて落札されている。ちなみにナンバーの「35」とは、日産GT-R (R35)を意味するものだろう。「富士山をバックにした日本を代表するスポーツカー」というイメージか。明らかに海外のGT-RファンやJDMファンが好みそうな組み合わせだ。
2021年9月30日で申し込みが終了した「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」(以下、五輪プレート)の出品もある。こちらはPayPayフリマに出品された1枚で26,999円。同じナンバーの五輪プレートが同時に複数のフリマサイトに出品されていた。
ご存知の方も多いとは思うが念のため。図柄入りナンバーの交付手数料は小型・普通自動車でもっとも安い7300円(東京)から最高額の9500円(奄美)まで地域ごとに異なるが、いずれも寄付金(1000円以上)を支払うことでカラーデザインとなる。図柄入り+カラーのナンバーの交付手数料は高額であることはわかるが、それにしてもヤフオク!やPayPayフリマの落札価格はかなり高額だ。
しかも中には、「一度もクルマに取り付けをしていないのでナンバープレートにキズがついていません」と、「未使用であること」をアピールする出品もあった。これはどういうことなのか?
登録車(軽自動車以外)の場合は、ナンバーを取り付けるには必ず「封印」がある。封印は運輸支局の職員によって行われるので、登録車では「未使用」というわけにはいかない。しかし、軽自動車は封印がないため、ナンバープレート取得後すぐに抹消登録の手続き→直径40mmの穴を開ける破壊措置→記念所蔵として持ち帰り→オークションなどに出品、ということが可能になる。
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