2023年卒業予定の学生を対象とした就職ブランドランキング調査によれば、1位三菱商事、2位伊藤忠商事、3位日本生命保険、4位大和証券グループ、5位バンダイであることが、文化放送キャリアパートナーズの調査結果より明らかに。自動車メーカーではトヨタがようやく47位に顔を出しているが、以下150位以内に自動車メーカーは1社も入っておらず。
自動車メーカーといえば、大学生にとって文系理系問わずにひと昔前までは憧れの就職先だったように思うが、どうやらトヨタとそれ以外の他社との差が出てきているようなのが心配だ……。
文/国沢光宏、写真/トヨタ、日産、ホンダ、スバル、ベストカー編集部、AdobeStock
■実はトヨタは理系学生の就職人気ナンバーワン!
ネットニュースで「2023年卒業予定の学生を対象とした就職ブランドランキング調査でトヨタは47位だった」という記事が出たという。検索してみたら、なるほど記事ありました。読んでみたら『ブンナビ』という文化放送がやっている就職ガイドの会員(現大学3年生、現大学院1年生)を対象としたアンケート結果のようだ。
ジェンダーフリーの時代とあり、ネットニュースにはアンケートの対象が書かれていないため、トヨタですら自動車メーカーを希望する学生はいないというイメージを作り上げてしまっている。本当か? さまざまな就職ガイドサイトをチェックみたら、ブンナビの「トヨタ47位」とまったく違う状況が見えてきた。理系大卒人気の人気ナンバーワンってトヨタが多い。
■学生いろいろ、選ぶ企業もいろいろにつき、総合順位だけで人気は語れず
詳しく紹介しよう。例えば、『キャリタス就活2023』というサイトをチェックしていただきたい。ここはジャンル分けした人気企業のリストを作っている。学生と言ったってさまざま、男性もいれば女性もいるだろう。当然ながら理系と文系だって分かれると思う。理系の人が文系で人気の高い損保会社を選ぶなんてありえないこと。
といった観点でトヨタを見ると、確かに大学生の文系ランキングでは50位にも入ってこない。けれど前述のとおり、理系のランキングは1位だ。大学院生理系ランキングだとトヨタ6位になってしまう。これまた院生の就職事情について知っていれば、理解できること。院生は在院中から引き合いなどあるし、自動車メーカーって院生を優遇していない。
自動車メーカーで扱っている技術は大学院で学ぶレベルより高く、むしろ大学卒業直後から最先端の技術に接して数年過ごすほうがいい仕事をする。特殊なケースや研究分野を除き、大学院を出たからといって大学卒より会社に役立つ人間になるということはないーーということを皆さん認識しているため、自動車メーカーはナンバーワンにならないのだろう。
逆に、理系の大卒からすれば自動車メーカーは自分のスキルをフルに発揮できる職種だと考えている傾向。最近、自動車メーカーに入りたいからということで、学生フォーミュラなどに取り組む学生も少なくないほど。理系の大学生に話を聞くと、トヨタに対するネガなイメージはない。将来性だってキチンとしていると考えているようだ。
コメント
コメントの使い方