2021年7月19日に新型が登場したトヨタのハイブリッド専用コンパクトカー、アクア。新型登場後は、8月が9442台、9月は1万1137台、10月は7643台と、トップを快走中のヤリスに迫る勢いで売れている。
アクアは今回の新型で、先代の長所であるハイブリッド性能をさらに伸ばして35.8km/Lを達成、そのうえで上質な走りも追求したという。
そんなアクアに今回、ワインディングを含めた公道で試乗することができた。その様子をお伝えしよう。
文/吉川賢一
写真/平野 学、トヨタ
■あらゆる部分が「正常進化」した新型アクア
先代の初代アクアがデビューしたのは2011年12月のこと。デビューすると同時に大ヒットしたアクアは、年間販売台数で2012年は2位(26万6567台)、その後、2013年から2015年までは首位を獲得、2016年以降も毎年10万台を販売し、グローバルでは10年間で187万台を売り上げた。車内の広さ、価格の安さ、そして圧倒的な低燃費などで若者世代からも支持され、国産ハイブリッドコンパクトカーの代名詞ともなってきた。
2代目となる今回の新型アクアは、プラットフォームはヤリスと同じく、最新のTNGAのGA-Bを採用。骨格結合構造の最適化を行い、超高張力鋼板を用いて軽量化と高剛性化を実現している。また、吸遮音材を適切に配置したことで、高速走行時の会話明瞭度は15%向上、乗車時停車中のノイズは1dB(約10%)低減したという。そうした効果が出ているためか、ドアを閉じる際の音質も先代モデルより、気持ちしっかりとした印象がある。
インテリアは、センターメーターだった先代アクアに対して、新型ではメーターがドライバー正面へと移動し、代わりにインパネ最上段に、10.5インチ大型ディスプレイオーディオが収まった。このレイアウトは、基本的にはヤリスと同じであり、ステアリングホイールもヤリスと共用となる。
この10.5インチのモニターは、ダッシュボード上へと張り出すほど大きく存在感があり、後席の人からも見やすい。このモニターにナビゲーションを映し出し、友人知人たちと一緒に和気あいあいとドライブに出かける様子がイメージできる。
シフトレバーは、先代のゲート式からプリウスと同タイプのセンターリターン式(手を離すとセンターに戻る)となっている。この手のセンターリターン式は「誤操作をしやすい」としてSNS上では評判がイマイチなのだが、実際に操作をしてみれば、ショートストロークでとても扱いやすい。また、ところどころに配置された合皮巻きのオーナメントやアームレストのほか、パワーシートも付くなど、豪華な装備も織り込まれている。
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