2021年12月に実施され、世界中が驚いたトヨタの「バッテリーEVに関する説明会」。2030年までにグローバルで30車種のバッテリーEVを投入するというもので、一挙に16車種ものコンセプトカーを会場に持ち込み、公開した。
この16車種のなかには明らかなコンセプトカー(つまり実際にこの姿で発売するわけではないクルマ)も多く含まれるが、中には「ほぼこのまま発売されるクルマ」もあるという。
それが「次期C-HR」というから驚き。本稿では「トヨタの新車情報は強い」と言われる当編集部スクープ班が特別取材した特報をお届けします。
文/ベストカースクープ班
写真/TOYOTA、三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY、ベストカー編集部
◾トヨタ関係者も「これ見せちゃっていいの?」と思ったというこのまま出てくる車種
あるトヨタの開発現場の担当者は、今回の「バッテリーEVに関する説明会」については何も聞かされていなかったといい、ニュースを見て初めて知ったというほど。もちろん現場レベルではそういうこともあるだろうが、そこで公開されたコンセプトカーを見て腰を抜かすほど驚いた(ちょっと盛っているが)という。
これから出る車種のデザインについては完全なマル秘事項で、社員には徹底的な守秘義務が課せられるのに、こうもあっさり見せるとは…と思ったという。
その注目の車種は「バッテリーEVに関する説明会」に出展されたbZ Compact (コンパクト)SUV。すでにbZシリーズの中のbZ4 Xは2022年央には市販されることが明らかにされているが、このシリーズの中のクーペボディのSUVが、ほぼこのまま登場するというのだ。
その正体は現行のC-HRの次期モデル。2022年末か2023年の登場が予定されているという。
現行型(初代)C-HRの登場は2016年だった。発表当時から爆発的ヒットとなった。最近ではカローラクロスやヤリスクロスに追われ苦戦しているが、デビュー当初からEVが追加されるという情報はあったし、実際中国ではC-HRのEVモデルは市販されている。同じプラットフォーム、GA-CのレクサスUXも2018年に300eとして市販されているので、特にEV需要の高い中国では次期C-HRがEV専用モデルということは当然ありえるし、日本でもbZ4 Xに続くEV車と設定されたとしても不思議はない。
この次期C-HRで注目なのは、現行モデルと同じプラットフォームなのか、それともbZ4 Xと同じEV専用の新しいプラットフォームを採用するかだ。スバルの得意とする4輪駆動技術を取り入れた最新のEVであり、バッテリー搭載容量などを考えれば、航続距離などの面で大きなメリットがある新しいプラットフォームの方が完成度は高い。しかし、その場合。価格も600万円は軽く超えてしまう。
C-HRは現在メイングレードで300万円程度だから、そうなると価格面で別物になってしまう可能性がある。従来のプラットフォームベースのEVであれば、おそらくFFしか設定されず、4WDはコンベンショナルなガソリンターボという構成で、価格的には400万円台で登場することもあり得る。EVの普及という点でネックなのは価格で、先行して発売されるbZ4 Xとは違った方向で出てくる可能性もあるわけだ。
新しいトヨタのEV戦略の中でそのあたりをどう考えるかがポイントとなるだろう。
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