1980年代から1990年代にかけて販売されたスポーツカーの中古車価格が軒並み高騰している。
高騰の要因として、程度のいい個体が減っていることや海外への輸出が盛んであることなどが挙げられるが、最も大きな要因が、アメリカの25年ルールである。
アメリカでは25年間、右ハンドルの車両を登録することができない。しかし、25年を超えれば右ハンドルであっても登録が可能となる。すでに25年ルールが解禁された日本車は、多くがアメリカに流れていて、これが中古車価格の高騰に繋がっているのだ。
そこで今回は、今から25年前の1997年に販売されていた4台を紹介。本気で欲しいなら、ラストチャンスかもしれない!?
文/萩原文博、写真/トヨタ、日産、三菱自動車
【画像ギャラリー】1997年もアツかった!! 価格高騰間違いナシの日本車4台を画像でチェック!!(12枚)画像ギャラリー■暗い世相の1997年だったが、話題のニューモデルが続々登場!
現在から25年前の1997年。身近な話題では神奈川県川崎市と千葉県木更津市とを結ぶ東京湾アクアラインが完成。当初は普通車4000円という高い通行料により、閑古鳥が鳴いていた。
当時の世相は暗く、金融機関の破綻が相次いだ。山一証券が業務停止に追い込まれ、同社社長の記者会見の様子がテレビで流され、日本経済は衰退期にあった。さらにアジア各国では、急激な通貨下落が起きた。
これがアジア通貨危機だ。ヘッジファンドの空売りから始まったアジア通貨危機だが、韓国もIMFの支援を受ける状況となるなど経済は混乱した。
そんな暗い雰囲気が漂う1997年だが、自動車業界は新しい時代の幕開けを告げた。それは「21世紀に間に合いました。」というキャッチコピーで初の量産ハイブリッド車、トヨタ初代プリウスが発売されたのだ。
また、国産プレミアムSUVとして圧倒的な人気を誇るトヨタ初代ハリアー。国産LLサイズミニバンブームの火付け役となった日産初代キャラバン/ホーミーエルグランド。そして、スバルからはクロスオーバーSUVの初代フォレスターなどが登場。
現在のトレンドの礎を築いたのが、25年前の1997年だったと言っても言いすぎではないだろう。また25年というと、北米での25年ルールに適合するため、国産車の海外流出が懸念される。
ここでは、25年ルールに適合する1997年式のクルマのなかから買っておくべき4台を紹介する。
■日産スカイラインGT-R(BCNR33)
まずは、日産スカイラインR33型GT-R。R33型GT-Rは1995年1月に登場したモデルだが、1997年2月にマイナーチェンジを行っており、後期型も25年ルール適応となる。
この時のマイナーチェンジのポイントは、外観ではエアインテークダクトを設けたフロントバンパーを採用。左ターンシグナルの奥に、オイルクーラー冷却用のダクトを設置。さらにバンパー自体を20mm下方向に拡大することにより、ラジエターやインタークーラーの冷却性能を大幅に向上させている。
さらに、プロジェクタータイプのキセノンヘッドランプを採用。さらに、右側のバックランプをリアフォグランプに変更している。
駆動系では、リアサスペンションメンバーの取付部に補強を加えて、剛性をアップ。またABSアクチュエーターの小型化し、軽量化。そして制御系にもチューニングが施され旋回制動時の安定感を向上させている。
インテリアでは、ドアの内張りやシートに赤を基調としたアクセントカラーを採用。加えて、フロントガラスには撥水ガラスを採用し、雨天時の視界を確保している。
R33型スカイラインGT-Rの中古車は現在、約40台しか流通しておらず、第2世代GT-Rのなかで最も少なくなっている。平均価格は約714万7000円。価格帯は約450万〜約1599万円だ。
1997年式以降の後期型の中古車はわずか7台しかなく、価格帯は約600万〜約980万円。平均価格は751万4000円だ。
この年式の中古車となると、年式よりコンディション重視となるので、後期型だから高いということはない。ただし、流通台数が極端に少ないので、探すのは困難を極める。
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