5月20日(金)〜22日(日)にかけて、京都府京丹後市を拠点に2022年シーズン全日本ラリー選手権(JRC)第4戦「YUHO RALLY TANGO supported by Nissin Mfg」が開催され、TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)の勝田範彦/木村裕介組が3位表彰台を獲得しました。また、眞貝知志/安藤裕一組が6位に入賞しています。
モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的に、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTGR。GRヤリスをベースとする「GR YARIS GR4 Rally」を2021年から投入し、最上位カテゴリーであるJN1クラスに挑戦しています。
2022年シーズンから導入された新規定により、前戦の久万高原ラリーで勝利を挙げた勝田選手のGR YARIS GR4 Rallyには、規定最低重量に50kgが追加されています。チームは車両バランスを考慮して重量を調整。
勝田選手は「やはりクルマに色々と影響を感じています」と、ラリー前にコメントしました。今大会のスペシャルステージ(SS、競技区間)はスムーズな路面が特徴ですが、気温が上昇することで、エンジンやタイヤに大きな負担を強いることも予想されています。
ラリー初日、ミスのない走りを披露した勝田選手は、2番手の選手に2.8秒差、3番手の選手に0.1秒差という4番手につけ、最終日のポジションアップを狙います。勝田選手は最終日午後のSS10で2番手タイムを刻むと、3番手に浮上。残されたSSでも後続を引き離し、3位表彰台を獲得しました。初日を6番手で終えた眞貝選手は、SS9ではSS3番手タイムを記録。初日の順位を守り、6位に入賞しています。
なお、今大会では、「GR Garage京都伏見」より、メカニック1名がチームに加わり、メンバーとともにGR YARIS GR4 Rallyの整備を行いました。
■勝田範彦(ドライバー)
同じGRヤリスをドライブする奴田原文雄選手/東駿吾選手とは、初日の段階から2.8秒差という接戦でしたね。気温が上がった最終日は、走らせ方を変えて挑みました。なるべく高いギヤを使うことを心がけ、ギヤチェンジを極力減らしたことでクルマにかかる負担が軽減され、タイムにつながったのかもしれません。前戦の勝利により50kgのウェイトを課されていましたが、チームの皆さんが可能な限り低重心になるよう、バランスを考えて搭載してくれました。今回の3位は、その努力の賜物だと考えています。
■眞貝知志(ドライバー)
2日間、天候やコンディションが安定するなかで、TOP6の選手と競った展開に持ち込めたことは、私自身にとって収穫になりました。1年前のこのラリーも同じく6位でしたが、内容はとても良くなっており、チームやサプライヤーの皆さんと一緒にクルマの開発を続けてきたことの成果が、良いタイムとして表れていることに充実感を覚えています。ただ、同じSSを2回走る場面では、TOP6の選手の皆さんが2回目の走行で大きくタイムアップをするなか、私はそれについていくことができていませんでした。これは今後への課題としてとらえています。
■升田孝輔(勝田号メカニック)
現在は勝田選手の車両整備をするメカニックとしてチームに参加しています。今大会では勝田選手のクルマにウェイトが搭載されましたが、50kgという重さを、いかにドライバーやクルマに負担をかけず、バランス良く配置すべきなのかを考えました。もともとは試作部という部署で開発車両の外板やボディを組み立てたりする板金関係の業務に携わっていましたが、今ではエンジンや足まわりの整備もフォローしています。チームには色々な専門分野をもつスタッフがいるので、様々なことを吸収し、次のメンバーにもそれらを伝えられるようにしていきたいと思っています。
■新井政行(エンジニア)
4WDの制御、クルマ全体のデータ解析を担当しています。今大会勝田選手は、+50kgのウェイトハンデでの走行となり、ドライバーにもクルマにも非常に厳しい環境でした。事前評価で良かった4WDセッティングが本番では更に違ったものが合っていたりと、ラリーという道や環境が刻々と変化するレースの奥深さをさらに感じました。眞貝選手に関しては、クルマとのマッチングが良くなっているという実感があります。
勝田選手とドライビングを比較し、走らせ方も変化を続けている点は、データをシェアできている強みと言えるでしょう。もっといいクルマづくりに向け、天候や道の環境などにしっかりと適応すべく、今回得られたデータを解析し、次につなげていきたいと考えています。
■西田匡嗣(GR Garage京都伏見)
眞貝選手の車両整備を行うメカニックとして、主に左後輪のブレーキや足まわりの点検を担当しました。弊社もTGRラリーチャレンジに参加しているので、競技のおおまかな流れを理解したうえでチームに合流できましたが、実際の作業は点検ひとつにしてもレベルが高く、オイル交換なども素早く確実にできるよう、ノウハウが確立されていました。また、ドライバーの方々は、クルマに対する些細なことでも気づかれます。それらを素早く情報収集して、作業できるよう準備していた点が印象的でした。私たちも普段から心がけてはいますが、たとえばお客様から指摘された不具合を直すだけでなく、再発防止や予防的にももっとやるべきことがあると感じました。今回のような機会は、もっと若い人たちにも経験してもらい、彼らの視点で感じたことを伝え、今後に活かしてほしいと思います。
YUHO RALLY TANGO supported by Nissin Mfg JN1クラス最終結果
-
1 ヘイキ・コバライネン/北川 紗衣(シュコダ・ファビアR5)1:20:08.6
-
2 福永 修/齊田 美早子(シュコダ・ファビアR5)+45.1
-
3 勝田 範彦/木村 裕介(GR YARIS GR4 Rally)+56.6
-
4 奴田原 文雄/東 駿吾(トヨタGRヤリス)+1:06.8
-
5 鎌田 卓麻/松本 優一(スバルWRX STI)+1:42.7
-
6 眞貝 知志/安藤 裕一(GR YARIS GR4 Rally)+1:57.7
-
7 新井 敏弘/田中 直哉(スバルWRX STI)+2:21.4
-
8 三枝 聖弥/石田 裕一(スバルWRX STI)+3:11.4
-
9 小泉 敏志/保井 隆宏(トヨタGRヤリス)+4:28.9
-
10 松岡 孝典/坂口 慎一(スバルWRX STI)+5:02.1
-
11 HYOMA/伊藤 克己(トヨタGRヤリス)+7:41.2
-
12 今井 聡/厚地 保幸(三菱ランサーエボリューションX)+8:16.1
-
13 金岡 義樹/朴木 博則(スバルWRX STI)+11:03.3
-
参戦13台、完走13台
TOYOTA GAZOO Racingは、「もっといいクルマづくり」のために「人を鍛え、クルマを鍛える」活動の一環としてGR YARIS GR4 Rallyで全日本ラリー選手権に参戦し、将来の車両開発に活かします。
TOYOTA GAZOO Racingの全日本ラリー選手権(JRC)における活動は、パートナー企業の皆さまによって支えられています。
- PREV
- BACK TO LIST
- NEXT
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
http://toyotagazooracing.com/jp/jrc/release/2022/04/
コメント
コメントの使い方