最近のクルマはスペアタイヤレスなんてのは当たり前で、もしトラブってしまったらパンク修理キットなるモノを使う時代に。
タイヤを丸ごと交換するよりもお手軽なうえ、車重も抑えられるため燃費にも効くというふれこみなのだが、じつは使用するうえで注意が必要なのだ。一体それはなんだ!? ちなみに記事内のタイヤ画像はすべてイメージです。
文/近藤暁史、写真/ベストカーWEB編集部、Adobestock
■パンク修理キットすらなくても違反じゃない!? 万一のため保険として積載
トラックなどの商用車、乗用車では大型のSUVを除いて最近のクルマにはスペアタイヤが積まれていないのはご存知だろう。日本車ではあまり普及しないが、ランフラットタイヤを装着している場合はパンクしても80km/hで80km程度まで走行可能なため、こちらも搭載はしていない。
ランフラットタイヤは別として、スペアタイヤの代わりに積まれているのがパンク修理キットだ。ラゲッジのフロア下など、本来スペアタイヤが入っていた部分にキットとして、ボトル状のものとコンプレッサーが収納されている。
ちなみに、収納されている部分自体は未だにスペアタイヤが入る形をしているのは、海外仕様では搭載することがあるためだ。
見慣れたスペアタイヤがいきなりなくなって、パンク修理キットに置き換わって面食らうことも多いだろう。
実は法律的には現在、スペアタイヤの搭載義務はないし、もっと言えば「車両に不具合が起きたときには速やかに安全な場所に移動する」という程度の定めになっているので、パンク修理キットですら義務でないという解釈もできる。ただそれではさすがに危険なので、キットを積んでいるとも言える。
■スペアタイヤの対応力はピカイチだったのに……廃止の要因は2つあった
スペアタイヤを廃止した理由はいろいろとあって、一番大きいのは燃費向上のために少しでも軽くしたいという重量の問題。簡易的なテンパータイヤでも10kg程度とされるから、これが丸々なくなるのは軽量化に大きく貢献するのは確か。
そのほかの理由としては、結局は一生使われないことも多く、再生が基本的には効かないゴムが無駄になってしまうという資源の問題もある。
このような理由からすると、パンク修理キットで十分とは思うが、注意すべき点がいくつかあるのも事実。ワンセット積んであればいつでもどこでも、どんな状態でもOKというわけではなく、結論的なことを先に言ってしまうと、スペアタイヤのほうが汎用性や対応力は確実に高い。
注意点としてまずあるのが、単純にいきなりだと使い方がわからないということ。もちろん説明書が付属していて読めばわかるとはいえ、不意に訪れたパンク時に読みながら作業する余裕はなかろう。
とりあえず、事前にセットの内容を把握しつつ、説明書に目を通しておくと、いざというときに慌てなくていいだろう。
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