クルマ好きのなかには「実用車 と 趣味車」という、用途別に愛車を所有するカーライフを楽しんでいる人もいると思う。
実用車は家族や仕事のため、趣味車は休日の楽しみとして・・・。この組み合わせができれば理想的だ。
その一方で、駐車場や経済的な問題・・・などなど。さまざまな理由で1台ですべてまかなっている人も少なくないだろう。そのなかには「家族のために2ドアは諦めるけど、”MT車だけ”はぜったいに譲れない」というお父さんもいるはずだ。
そうなると、予想以上に選択肢が限られてくることも事実だ。現在、どのような選択肢があるのか? 「ファミリーカーにも使える新車価格250万円以下の実用的なMT車5選」と題して紹介したい。
文/松村透
写真/トヨタ、ホンダ、マツダ、スズキ、ポルシェ、AdobeStock(Sap)
※この情報は2022年6月21日現在のものです
■MT車は絶滅危惧種であるという(認めたくない)事実
クルマ好き同士だと実感が薄いかもしれないが、いまやMT車の新車登録台数は全体の1%にも満たないという。
もうしばらくは内燃機関のクルマを楽しむことができそうだが、少なくともここ数年で「自分がクルマを運転している時代に内燃機関のクルマに乗れなくなるかもしれない・・・」といった漠然とした危機感を抱くようになったクルマ好きも少なくないだろう。
正直、こんな仮説を立てたくはないのだが「内燃機関+3ペダルMT車」が絶滅危惧種になる(かもしれない)というリミットが、少しずつ、確実に忍び寄っているという直感は正しいのかもしれない。
■いまやMT車に乗れること自体が特殊なスキルに?
日常生活においてクルマを運転する際、よほどの特殊な事情がないかぎり「MT車でなければ困る」という場面はほぼ存在しないといっていいだろう。むしろ日常生活においては、ATをはじめとする2ペダル車の方が圧倒的に楽だ。
もっとも分かりやすい例として、渋滞時の運転をイメージすれば容易に想像ができるだろう。「この先渋滞50km」の表示を目にした時の絶望感たるや・・・。自他ともにMT好きを自認する人でも避けたい状況だろう。
また、かつては「オートマは慣れなくて怖いから、ワタシはMTに乗る」という一般ドライバーの声も聞かれた。しかし、それも今となっては少数派になりつつある。
さらにレンタカーも、趣味性の高いクルマに特化した店舗でない限り、AT車が主流だ。
シフトをニュートラルから1速に入れ、ゆっくり左足を動かしてクラッチを繋ぎ、アクセルを踏み込んで適度な回転域でクラッチを切り、2速へシフトアップ。クラッチペダルから左足を話してそしてさらに加速・・・。
MT車の運転経験者であれば、体が自然と動いてくれるだろう。しかし、未経験者にとってはこの一連の動作が非常に難しい。自分には必要ないと割り切るか、必要に迫られるとしたら、必死に練習して慣れるしかない。
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