世界的にSUVが大人気であるが、国内でもミニバンではなく3列シートのSUVを購入して家族で移動に使用するユーザーが増えている。
それを受けて、メーカーもラインナップを強化しており、マツダでは自社生産のミニバンを廃止して、CX-8だけにしている状況だ。
新型エクストレイル登場でますます盛り上がる、国産3列シートのSUVの中からコスパの高いものをご紹介しよう!
文/渡辺陽一郎、写真/ベストカー編集部
■ミニバンよりも3列シートSUVが適している使い方とは?
3列シートを備えた多人数乗車の可能なカテゴリーといえば、ミニバンが筆頭に挙げられるが、SUVにも3列シート車が用意される。マツダCX-8、ホンダCR-V、トヨタランドクルーザー、トヨタランドクルーザープラド、三菱アウトランダー、日産エクストレイル、レクサスLXなどだ。
SUVの3列目シートで注意したいのは、ミニバンに比べると、居住性が悪いこと。それは主に床面構造の違いに基づく。
ミニバンの床は、1列目の部分を高めに設定して、3列目まで平らに仕上げている。3列目の床下には燃料タンクが設置されるが、車内前側の床を高めたから、段差はなく平らになる。そのために、各シートの着座姿勢にも極端な違いはない。
ところがSUVの床面構造は、ミニバンのような配慮をしていない。1/2列目の部分は床が低く、3列目だけは燃料タンクのために高い。従ってSUVの3列目に座ると、膝が持ち上がり、1/2列目に比べて窮屈な座り方になる。SUVの3列目は、シートのサイズも比較的コンパクトで、背もたれや座面も薄手のものが多い。
つまりSUVの3列目は、荷室に装着された補助席に近い。足元空間も狭く、基本的に短時間の移動を目的に開発されている。ミニバンと違って、大人が多人数で乗車して、長距離を移動する用途には適さない。
それでも1年に数回、短い距離を多人数で移動するニーズもある。友人や親類が数人で自宅へ遊びに来た時、最寄の駅まで迎えに行くような使い方だ。
この限られた目的のために、ミニバンを買うのは、もったいないだろう。通常はムダに広い空間を備えることになるからだ。特にミニバンを好まないユーザーの場合、3列シートのSUVは、使い方次第では合理的な選択になる。
そこで改めて3列シートSUVのラインナップを見ると、人気車は少ない。
CR-Vは販売が低迷しており、国内販売を終えてZR-Vに切り替える予定だ。ランドクルーザーとレクサスLXは、Lサイズの悪路向けSUVだが、納期が極端に長い。そのためにこの2車種は、販売店によると「納期が4年以上に延びた結果、今は受注を中断している」という。つまり実質的に購入できない。
そうなると購入対象に入るのは、アウトランダー、CX-8、ランドクルーザープラドなどに絞られる。これに加えて2022年7月25日にフルモデルチェンジモデルが発売されたエクストレイルだ。
新型になったレクサスRXは、従来型と違って3列シート仕様が今のところ設定されていない。
この限られた3列シートSUVの中で、選ぶ価値の高い車種をガイドしたい。
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