新型エクストレイル登場でどうなる? コスパで選ぶおすすめ3列シートSUV!!

■3列シートSUVの推奨度No.1:アウトランダー・P(532万700円)

三菱 アウトランダー車内。ゆったりと快適な3列目ではないが、他の機能が多彩で使い勝手がいい
三菱 アウトランダー車内。ゆったりと快適な3列目ではないが、他の機能が多彩で使い勝手がいい

 アウトランダーは、3列目シートが快適なSUVではない。身長170cmの大人6名が乗車した時、2列目の膝先空間を握りコブシ1つ分まで狭めても、3列目に大人が座るのは難しい。

 3列目に身長170cmの大人が座るには、2列目に座る乗員の膝先が1列目の背面に触れるまで前寄りにスライドさせ、3列目の足元空間を最大限度に広げる必要がある。多人数で乗車できる移動時間は、片道30分までだ。

 それでもアウトランダーの推奨度をNo.1としたのは、そのほかの機能が優れているからだ。アウトランダーはPHEV(充電可能なプラグインハイブリッド)を搭載して、駆動は前後に搭載されたモーターが担当する。効率の優れた巡航時には、エンジンが前輪を直接駆動することもあるが、大半はモーター駆動だ。

 モーターは瞬発力が強く、アウトランダーの場合、動力性能をガソリンエンジンに当てはめると3.5Lに匹敵する。巡航中にアクセルペダルを踏み増した時など、回転数が低い状態では、瞬発力の強さが特に際立つ。

 カーブを曲がる時の挙動にも特徴がある。後輪のモーターもパワフルで、駆動力が4輪に効率良く分散される。

 そのためにカーブを曲がっている最中にアクセルペダルを踏み増しても、前輪がグリップを失って旋回軌跡を拡大させる動きが生じにくい。高重心で車両重量も2トンを超えるが、ステアリングの舵角に応じて確実に回り込む。

 通常のSUVは、後輪の接地性を高めて車両の動きを安定させるため、峠道などでは曲がりにくく感じることも多い。そこがアウトランダーは、SUVなのに、スポーツセダンのように良く曲がる。この運転感覚はクルマ好きにピッタリだ。

 しかもアウトランダーは、駆動用リチウムイオン電池の容量も20kWhと大きい。1回充電すると、WLTCモードで85km(Mは87km)を走行できる。内装も上質で、さまざまなデザインや機能を熟成させた。そのために3列目シートのスペースは狭いが、推奨度は高い。

■3列シートSUVの推奨度No.2:エクストレイルX・e-4ORCE(393万300円/3列シート)

新発売となったエクストレイルの3列目シート。限られた空間を生かす設計となっている
新発売となったエクストレイルの3列目シート。限られた空間を生かす設計となっている

 3列シートSUVの推奨度No.2はエクストレイルだ。プラットフォームとホイールベース(前輪と後輪の間隔)は推奨度No.1のアウトランダーと共通だから、3列シートのすべてに大人が座ると窮屈に感じる。シート形状の違いにより、足元空間はエクストレイルに若干の余裕があるが、2/3列目の膝先空間はほとんど確保されない。

 しかも3列目は床と座面の間隔が不足して、膝が大きく持ち上がる。3列目に座った乗員の足が、2列目の下側に辛うじて収まるなど、3列目の居住性に対する配慮も見られるが、多人数で乗車すると窮屈だ。頭上の空間も、身長170cmの乗員が座るとほとんど確保されない。頭部が天井に触れる。

 従って多人数で移動するなら、片道30分までだ。それでも1年に数回、短距離を多人数で乗車する使い方なら、さほど不満は生じないだろう。

 3列目の居住性が低いエクストレイルを推奨度No.2にした理由は、SUVとしての機能が優れているからだ。全車がe-POWERを搭載して、発電用のエンジンには、圧縮比を走行状態に応じて変化させる直列3気筒1.5Lターボを採用している。

 このVCターボは、アクセルペダルを軽く踏みながら走る巡航時には、圧縮比を14:1に近付けて燃料消費量を抑える。逆に登坂路などでアクセルペダルを深く踏むと、圧縮比を8:1に近付けてターボを作動させ、発電を活発に行う。モーターの駆動力をノーマルタイプのガソリンエンジンに当てはめると、排気量は3~3.5Lの印象で、ノイズも耳障りには感じない。

 車両重量は1880kgと少し重いが、アウトランダーに比べると、操舵に対する反応が適度に軽快だ。走行安定性も優れ、3列目シートは補助席でも、SUVとしての商品力は高い。

次ページは : ■3列シートSUVの推奨度No.3:マツダCX-8・XDプロアクティブ(382万8000円/2WD)

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!