当サイトをはじめさまざまな自動車媒体を読んでいると、「Cセグメント」とか「Dセグ」といったワードを見かけることがある。
この後ろに付く「セグメント」という言葉は、ヨーロッパで生まれた自動車のクラス分けの概念のこと。日本車ではあまり馴染みのない分類方法であり、一般の人がこのワードを使うことはまずないはず。
そこで本稿では、クルマ好きならその意味を知っておきたいワード「セグメント」に関して解説していきたいと思う。ちょっとした時にうんちくとして語れる知識をお届けする。
文/フォッケウルフ
写真/フォルクスワーゲンジャパン、メルセデス・ベンツ日本、ポルシェジャパン、BMWジャパン、トヨタ、日産、アウディジャパン、スバル、ホンダ、ルノージャポン、ステランティス、スズキ
■業界でのみ通じる(!?)マニアックワード
クルマ業界に限ったことではないが、その界隈には一般の方々には馴染みがない、あるいは勘違いを誘発するようなワードがいろいろとあるものだ。
我々、自動車メディアに携わる人々も、「クルマ好きならわかるでしょ」的に、至極フツーに使ってしまうことがあり、せっかくの記事も、その「知っているようで、知らない言葉」によってわかりにくくなってしまうことがしばしばある。
たとえば、「セグメント」。輸入車の解説、試乗記事などで見かけるワードだが、クルマに疎い人にとっては、「断片、部分、切れ目、分割(されたもの)などの意味」という本来の意味として捉えるだろう。
ビジネスシーンにおいては、顧客を属性ごとに区分した分類を指し、ITの分野ではメモリーの管理単位として使われることがある。クルマの場合も分類の概念として用いられているが、その区分や名称はさまざまだ。
セグメントは、もともとはヨーロッパの調査会社がマーケティングのために使っていた分類方法と言われている。現在、自動車関連のメディアでは、欧州委員会が発表した分類名称が使われているが、欧州委員会の分類は車両サイズだけでなく価格やイメージでもセグメントは変わるとして、明確な基準を示していない。そこでメディアでは、欧州委員会の名称を使いながら、マーケティングシステムズ社が定義した全長による分類を用いていることが多い。
ちなみに「Wikipedia」によると、日本では「自動車雑誌やウェブ上で、車文化の違いや調査主体により変わる分類方法や区分名称を理解せず、さらに混同して用いる自動車評論家がいるため、しばし混乱が生じる」とあるように、馴染みのないワードゆえに正しく伝えられていないというのも否めない。
そもそも日本における車種の区分は、ボディサイズ(全長)よりも特徴とか、排気量や車両重量が重視される傾向が強い。SUVとかミニバン、セダン、軽自動車といったジャンルによる分類が一般的で、こっちのほうが車種のキャラクターとか、ライバル関係がわかりやすい。
とはいえ、世界にはセグメントという分類の概念があることや、それがどういった分け方をされているのか。さらにそれぞれのセグメントの傾向などについても理解しておけば、クルマ通をきどれるのは間違いない。
コメント
コメントの使い方