新型シビック発売から約1年、新たにハイブリッドモデルの「e:HEV」がラインナップに追加されました。
ハイブリッドというと「燃費が良い」「静か」というイメージはありますが、「運転して楽しい」というイメージを持っている人は少ないのではないでしょうか?
新型シビックe:HEVは、そんなハイブリッドの常識を覆すようなモデルになっているそう。早速どんなクルマなのか試乗してきました!
文/伊藤梓、写真/塩川雅人、HONDA
■新型シビックにe:HEVが追加!
これまでのシビックには、1.5L直4ターボエンジン(182ps/240Nm)を搭載したモデルがあり、ベースグレードのLXと装備の充実したEXが設定されていました。特徴的なのは、CVTだけではなく、6MTもラインナップされていること。
今の時代になっても、1.5Lターボエンジンをマニュアルで使い切って走れるモデルがあるというのは、クルマ好きとしては嬉しいですよね。
そして、今回追加されたのが、ホンダの新しいハイブリッドを搭載する「e:HEV」。新開発の2L直4NAエンジンと、1.5Lモデルとは異なる2モーター内蔵電気式CVTを採用しています。
また、電力を適切にコントロールするためのパワーコントロールユニット、バッテリーと制御装置が一体になったインテリジェントパワーユニットも新開発されており、出力アップやバッテリー容量の拡大、軽量化が図られました。
また、衝突安全の観点から、ハイブリッド用の構造物を保護するためにボディ剛性も上がっているとのこと。これまで他モデルに採用されたe:HEVをそのまま流用しているのではなく、シビックe:HEVは各所が大幅に進化しています。
外観は、e:HEVのバッチが付いている以外、特に変化はありませんが、走り出してみると「ガソリンモデルとこんなに違うの!?」と、驚きの連続!
まずは、走り出しからガソリンモデルより乗り心地が良くなっていることに気づきました。路面の凹凸を乗り越えてもキャビンが大きく揺すられず、しなやかに駆け抜けていきます。
そして、とにかくパワーユニットがパワフル! 1.5Lのエンジンもある程度回すと元気よく走ってくれるのですが、約2500回転までは「パワーが足りないかな?」というシーンもしばしば。
特に今回は登り坂のワインディングロードが多かったので、積極的に回転数を保とうとしないと失速してしまい、走らせるのに少しコツがいるなと感じました。それがe:HEVでは、低速からしっかりトルクがあり、それが高速まで伸びやかにつながるので、パワーについてはほとんどストレスがありません。
e:HEVには、モーターのみで走るEVモード、エンジンで発電してモーターで走るハイブリッドモード、エンジンと車輪を直結して走るエンジンモードの3種類があります。
これまでのe:HEVも、アクセルペダルの踏み込みに合わせて、エンジン音が高まる設定はありましたが、それはあくまでエンジンのみのモデルから乗り換えた人でも違和感なく乗れるようにという配慮だったはず。
ところが、シビックe:HEVは、加速するとより積極的にエンジン音を聴かせるようになっています。2モーター内蔵電気式CVTも優秀で、まるでATのように小気味よくシフトアップ/ダウンをシームレスに行っているような感覚で、その度にエンジン音もステップアップするように変化します。
さらに、メーター内にはタコメーターを想起させるパワーメーターが付いていて、ドライビングに合わせてリニアに針が振れるので、この演出も運転をワクワクさせてくれる大きな要因になっていました。
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