日本ではある用途のための装置などを備えた自動車を「特装車」と呼んでいます。トラックはたいがい特装車というわけです。しかも世界には、日本と同じだったり違ったりユニークだったりスゴかったり、いろんな特装車が存在します。
トラックマガジン「フルロード」では、そんな特装車を紹介する「世界の特装車」を絶賛連載中ですが、ベストカー読者の皆さまにもこの底なし沼の一端を味わっていただこうではありませんか!!!! 今回は特装車とて例外ではない、電動化の世界をご紹介…!!!
※本稿は2022年5月のものです。本文中「GVW」は「車両総重量」、「GCW」は「連結総重量」の略語です
文/緒方五郎(トラックに詳しいフリーライター)、写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
初出:『ベストカー』2022年6月10日号
■電動特装車、あるんです
世界中で進められている自動車の電動化は、特装車も例外ではない。
EU、米国、中国などバッテリーEV(BEV)開発が盛んな国々では、塵芥車、宅配用ドライバンやスーパーへ商品を配送する冷凍バンなどの配送車を中心にBEV化が進められており、都市内運行用セミトラクタ、ダンプやミキサー車などの建設系特装車にもBEVの実証車が現われている。
ただ、中国ではさまざまなメーカーがさまざまなBEV特装車を試作したが、その多くは続報がないのも事実である。
実は自走しないトレーラも、電動化する可能性が高い。これは車軸で発電した電力で、冷凍機などの架装物を動かすアイディアで、主に欧米で開発が進められている。
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【ドイツ】メルセデス・ベンツ・eアクトロス 6×2/4スワップボディキャリア
2021年から量産中のBEV大型トラックのeアクトロスは、実証試験時はスワップボディキャリア(水平脱着ボディ車)を架装し、コンテナ交換でさまざまな用途に対応可能だった。写真のボディはシュミッツカーゴブル社製の温度管理コンテナで、冷凍車として運用できた。
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