世界よ、これも三菱車だ! 歴代三菱車から選ぶ「三菱でしか出せなかった唯我独尊車5選」

世界よ、これも三菱車だ! 歴代三菱車から選ぶ「三菱でしか出せなかった唯我独尊車5選」

 三菱自動車は不思議な会社だ。重厚なる技術を持ち、パジェロやランエボのような骨太な名車を送り出す一方で、その体質は官僚的で、幾度も不祥事を起こし国交省から処分を受け、経営危機に陥った。

 官僚体質のわりには不思議なほど大胆かつ勇猛果敢な部分があり、「なんで?」というような変わり種を何度も商品化している。つまり、セクト主義により部門がそれぞれ独断的に行動しがちということでしょうか。

 今回は、そんな三菱の勇猛果敢なハズレ商品たちを5台選んでみた。三菱自動車って不思議だなぁ~。

文/清水草一、写真/MITSUBISHI

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■ショーファードリブンの2代目デボネアVにAMGパーツをくっつけた「デボネアV ロイヤルAMG」

1986年、22年の歴史ではじめてのモデルチェンジを受けた三菱 デボネア。同時に誕生したのが「デボネアV ロイヤルAMG」。ドイツAMGによって内外装がカスタムされていた
1986年、22年の歴史ではじめてのモデルチェンジを受けた三菱 デボネア。同時に誕生したのが「デボネアV ロイヤルAMG」。ドイツAMGによって内外装がカスタムされていた

 初代デボネアは「走るシーラカンス」と呼ばれた迷車で、三菱が1964年から1986年まで、実に22年の長きに渡って生産が続けられたショーファートリブンのサルーンだ。三菱グループの社用車需要があってこそ存続できた珍種だった。

 そのデボネアが1986年、ついに初のモデルチェンジを受けて「デボネアV」に進化! FRからFFへ大転換すると同時に、デザインもシーラカンスから、カクカクした直線的ラインの高級セダンに大変身を遂げた。それはどことなく戦車みたいで。お堅い三菱グループのお偉いさんにお似合いだったかもしれない。

 しかし、驚きはそれだけではなかった。なんと三菱は独AMGに働きかけ、AMGによって内外装がカスタマイズされた「ロイヤルAMG」を世に送り出したのだ! ナゼ!? どうしてそんな大胆なオファーを……。

 エクステリアは、メッキ類を排してスポーティ感を強調すると同時に、小さなリアスポイラーを含むエアロで武装。マフラーは専用のデュアル出し。あらゆる面でAMGの本気度が伺える仕上がりだが、戦車を最高速仕様にしたような不気味さがあった。

 一方、内装は、AMGがデザインしたブラック&グレーの本革シート。その形状は、まさに昭和の応接間。エクステリアとのチグハグ感は半端じゃなかった。AMGはメルセデス以外のメーカーと組むことはほとんどなかったので、迷いがあったのだろうか? 謎。

 とにかくデボネアVロイヤルAMGのインパクトはウルトラ強烈だった。わずかしか売れなかったので、ほぼ実物を見たことはないが、「三菱おそるべし」の印象は強く残った。

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