時の流れとともにクルマを取り巻く環境や価値観は大きな変化を遂げてきた。それとともにその変化の中で静かに存在感を失いつつあるクルマ用語も多く存在する。
今回はそんな死語となってしまった、または死語となりつつあるクルマ用語のなかから、特にイマドキの若者が聞けば「何それ?」と頭にクエスチョンマークだらけになってしまいそうなものをいくつか紹介する。
文/入江 凱、写真/トヨタ、日産、ホンダ、写真AC、イラストAC、Adobe Stock、FavCars.com
【画像ギャラリー】知ってたらオジサン確定!? 若者にとっては死語のクルマ用語(16枚)画像ギャラリー昭和世代には馴染み深い用語だが……
■トルコン車/ノークラ
どちらもいわゆるAT車を指す呼び方で、ノークラは単純にクラッチがない(=ノークラッチ)からきている。トルコン車とはクラッチのかわりに流体で動力を伝達するトルクコンバータの略称。どちらもAT車が登場した黎明期には一般的な用語だった。
某テレビ番組のリサーチでは、10代の若者の知らない言葉トップ10の2位がクラッチだとか。ということは、そんな若者たちに「ノークラはノークラッチの略だよ」と説明したところで会話はまったく成立しないということか……。
■ミッション車
その昔はMT車を「トランスミッションを手動操作するクルマ」という意味でミッション車と呼ばれることがあった。しかし今では、ミッションと言われたら、映画「ミッション・イン・ポッシブル」を連想する若者のほうが圧倒的に多いだろう……。
いずれにせよ、ATにしろMTにしろ、どちらもトランスミッション(変速機)は付いているので、ミッション車という呼び方が適切かの是非は意見が分かれるところだが。
■ライトバン
バンと言えば1ナンバーや4ナンバーの商用車のことを指すが、なかでも小型で積載量が少なめの屋根付きの貨物自動車全般をライトバンというカテゴリーに分類していた時代があった。
代表車種としては、トヨタのプロボックス、日産のAD、マツダのファミリアバンなどが挙げられる。現在では車種が少なくなってしまったこともあってか、ライトバンという用語自体が死語になりつつあり、単にバンとして扱われるようになっている。
■ベンコラ
ベンコラとは「ベンチシート+コラムシフト」の略。最近のクルマは運転席と助手席の間がセンターコンソールや通路によって仕切られているが、昔は前列の席が長いベンチのように一体となったベンチシートと呼ばれるタイプも多かった。
コラムシフトとはハンドルの付け根から伸びているシフトレバーを操作する方式だ。ベンコラのメリットは足元が広く、左右への行き来がしやすいことが挙げられる。
しかし、ベンコラが最も活躍したのはドライブデートのシーン。運転席と助手席がつながっており、二人の間を遮るものがないベンコラはデートカーの定番だった。イマドキの若者も喜びそうなシステムなのだが……。
コメント
コメントの使い方今のモデリスタのエアロって出っ歯デザインですよね。