愛くるしいタイプ2(ワーゲンバス)の復活として話題を集めるフォルクスワーゲンの「ID.BUZZ(アイディーバズ)」。日本では未発表のこのクルマが、東京ミッドタウンで見られるのをご存じだろうか。タイプ2好きの編集部員がその生の姿をチェックしてきた!
文/ベストカーWeb編集部、写真/フォルクスワーゲン、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】21世紀に蘇ったワーゲンバスの姿をたっぷり見よう!(43枚)画像ギャラリー■全長がほぼそのまま車室!
ID.BUZZが展示されているのは、東京ミッドタウンで12月25日まで開催されている「ID.SQUARE」というイベントの一角。本来は、フォルクスワーゲンの電動モデル「IDシリーズ」の日本発売第1号車「ID.4」に、見て触れて試乗もできるという催しなのだが、それに合わせてID.BUZZも日本初お披露目となった。ちなみに展示車両は日本と同じ右ハンドルとなるアイルランド仕様だそうだ。
ID.BUZZを一目見た印象は「ワーゲンバスも成長したなあ!」。4712mmという全長はまだしも、横幅が1985mm、高さが1937mmもあり、かなりの大柄だ。とはいえタイプ2の血を引く愛嬌あるフロントマスクや、ツートーンに塗られたボディカラーもあって威圧感は感じない。鼻先にあるVWのロゴマークもことのほか巨大で可愛さたっぷり。
フロント周りに開口部はほとんどなく、バンパー部分にメッシュ状の空気取り入れ口があるのみ。ここには運転支援のためのミリ波レーダーやソナーも備えられていた。ライト周りは前後ともVWおなじみの「IQ.LIGHT」で、ハイビームの配光制御のほか多彩な表示も行う。車両を起動するときはアニメーションのように光が動き、ID.BUZZの意志のようなものを感じてしまった。
意外だったのはタイヤサイズ。ID.BUZZ、こう見えて後輪駆動なのだが、フロントが235/45R21に対しリアが265/40R21という前後異径サイズだった。これはリアのトラクション確保というよりも、荷物を積んだ際の耐荷重アップが狙いだろう。タイヤ銘柄は韓国ハンコックの「ベンタスS1 evo3 EV」というEV専用タイヤだった。
特別に許可をいただき、スライドドアを開けて車内に入らせてもらった。2m近い全幅を誇るだけあり横方向の広さはたっぷり。大人でも3人が並んで座れるし、60:40で分割して倒すことも可能だ。いっぽう縦方向も予想以上に広く、大げさにいえば「全長がほぼそのまま車室」という印象。ID.BUZZのホイールベースは2989mmもあるのだが、パワーユニット配置の自由度が高いEVならではのスペース設計と感じた。
ここでは筆者の不勉強も露呈したのだが、ID.BUZZは2列シートだということに気付いた。本国でも3列シート仕様はないそうで(※追加で登場するらしい)、ボディ後端はラゲッジスペースに充てられていた。もともとタイプ2も商用車として開発されたのだからこれは当然といえば当然で、欧州で発売されている「ID.BUZZ Cargo」というコマーシャル仕様のほうが、むしろ主力モデルになるのかもしれない。
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