下の表を見てもらえればわかるように、クルマの使用年数は右肩上がりに伸びてきた。クルマの信頼性が大きく向上している証拠だしそれ自体はめでたいことなのだが、それにしたってクルマは機械。壊れる時はやっぱり壊れる。
しかし本格的に壊れる前の前兆を感じ取れれば、修理費用を抑えることだって可能だ。
本格的な故障へ発展する前にクルマが発する兆候を感じ取る力、そう、「愛車危機察知能力」が大事なのだ。シロートではなかなか整備の手を出しづらくなった最近のクルマではあるが、その能力を極限まで高めれば、愛車は元気、ドライバーも元気、ついでに財布の危機だって遠ざかる、かもしれない。
とはいえ、「出費」のふた文字がアタマを過れば、故障の予兆なんて「気のせい」で済ませてしまいがち。ここでは、クルマのメカニズムに精通するライター高橋統一郎氏に、考えうる車の故障の「予兆ポイント」と、具体的にどんな故障が考えられるか、そしてその費用を挙げてもらった。
※本稿は2018年12月のものです。紹介している修理費用は一例です。ケースによって修理費用が大きく異なる場合があります
文:高橋統一郎/写真:Adobestock、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年1月10日号
■[症例] 運転中にハンドルを回すと異音がする?
ハンドルを回すとギリギリとかガガガッなどの異音がする場合がある。考えられるのはフロントのストラットアッパーに使われるベアリングの劣化。また、大舵角で音が出る場合はドライブシャフトのジョイント部のトラブルの可能性がある。ここのブーツが破れると内部のグリスが漏れたり、水が入ったりしてベアリングがダメになる。
〈いくらで直る?〉
ストラットアッパーが原因の場合、交換費用は片側1万から2万円程度。ドライブシャフトのブーツ交換なら数千円、ジョイントまで行くと片側2万から3万円以上は必要。
■[症例] ウインカーがやたらと早くカチカチ言う?
ウインカーを作動させた時、普段よりカチカチ音のテンポが速く聞こえたら要注意。ウインカーのバルブが切れて、実際はウインカーが点滅していないかも。危機管理としてできることは、ウインカーバルブを携帯しておいて自分で交換なのだが、できなければショップなどで交換だ。
〈いくらで直る?〉
費用は高くても数千円。気をつけたいのがウインカーをLEDバルブに交換しても、この症状が出る場合があること。その際には専用のリレーなどに交換することが必要だ。費用はやはり数千円程度。
■[症例] エンジン冷間時に「キュルキュル」音がする?
たまにエンジンルームから結構派手なキュルキュル音をさせながら走っているクルマを見る。これはファンベルトが滑っている症状だ。ただ、実際にはファンは電動が多いからオルタネーターやパワステ、ウォーターポンプのベルトだったりする。ベルトの張りが適正でなかったり、劣化していることが原因だ。エンジン始動後はオルタネーターの負荷が高く鳴りやすいが発電が一段落すると止まるので見過ごされやすい。
〈いくらで直る?〉
1万円以内で修理できるので早めに対処しよう。
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