えええぇぇ…違反…じゃないの? 車庫証明ステッカーを貼っていないクルマがいる理由と実情

えええぇぇ…違反…じゃないの? 車庫証明ステッカーを貼っていないクルマがいる理由と実情

 車検に点検整備済みステッカーなど、クルマに貼るべきモノは意外と多い。車検ステッカーは法律で装着が決められているなど、それぞれルールも存在。でも車庫証明ステッカーに関しては貼っていないクルマを見かけることも。一体なぜ!?

文:山本晋也/写真:ベストカーWeb編集部・Adobestock・アイキャッチ(Kumi@Adobestock)

■2km以内に保管場所を!! 車庫証明は義務

車庫証明がなければナンバーを発行できないケースがほとんどだが、お隣の韓国はその制度はなし。行ってみると気づくように路上駐車がかなり多いのもそれが要因なのだ
車庫証明がなければナンバーを発行できないケースがほとんどだが、お隣の韓国はその制度はなし。行ってみると気づくように路上駐車がかなり多いのもそれが要因なのだ

 一部例外的な地域もあるが、基本的に日本国内でクルマを所有するならば駐車場(保管場所)は確保しておかなければいけない。

 かつて日本では道路上を駐車スペースとして利用する「青空駐車」と呼ばれる行為が横行していた。たしかに駐車禁止でない道路であればクルマを停めておくのは違法とはいえないが、路上を駐車場代わりにつかうのはいただけない。

 そこでモータリゼーションの発展に伴い「自動車の保管場所の確保等に関する法律」通称「車庫法」が制定された。現在では、この法律に基づき申請人住所の2km以内にクルマの保管場所を確保することが義務付けられている。

■軽自動車は一部不要な地域も! 登録車は必須の車庫証明

軽自動車は一部地域で車庫証明が必要ない地域も!!
軽自動車は一部地域で車庫証明が必要ない地域も!!

 クルマ購入時の手続きを経験したことがある方ならご存知のように、自宅や借りている駐車場の地図などを書いた書類を管轄の警察署に提出して、「車庫証明」を取得する必要がある。

 登録車であれば保管場所を確保していること、車庫証明を取得していることはナンバープレートをつけるための重要な条件となっているほどだ。

 軽自動車については保管場所の届出が不要とされている市町村も少なくないが、登録車については離島でもない限り、車庫証明は必須となっている。

 つまり、ナンバーをつけて公道を走っている登録車の大半は保管場所を確保していることを示す「車庫証明ステッカー」を表示しているはずである。

■貼っていなくてもOK!? 現状非装着でも罰則ナシ!!

リアウィンドウの外側、あるいは内側から貼るなど装着方法は大きく2パターン。非装着のクルマも目立つが、現状貼っていなくても罰則はないのだった(umaruchan4678@Adobestock)
リアウィンドウの外側、あるいは内側から貼るなど装着方法は大きく2パターン。非装着のクルマも目立つが、現状貼っていなくても罰則はないのだった(umaruchan4678@Adobestock)

 しかしながら、車庫証明のステッカー(正式名称は「保管場所標章」という)を表示していいないクルマを見かけることはちょくちょくある。

 青枠とクルマのイラストが特徴的な車庫証明ステッカーは、リヤウインドウやボディなどに貼らなくとも違反にはならないのだろうか。結論をいえば、車庫証明ステッカーの表示は義務といえる。

 車庫法によって「保管場所標章の交付を受けた者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該自動車に保管場所標章を表示しなければならない。」となっているからだ。

 ただし、「表示しなければならない」と明記されている反面、非表示による罰則はない。

 そのため車庫証明ステッカーを貼っていないからといって取り締まられることもない、という状況になっている。

 タイトルにもあるように「車庫証明ステッカーは貼るべき」なのだが、罰則がないために表示してないクルマが存在してしまうのだ。

 実際問題、少なくとも登録車については実質的に車庫証明がなければナンバーを取ることができないのだから、車庫証明ステッカーには意味がないともいえる。厳しい罰則がないというのも、そのためだろう。

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