「100年に一度の大変革期」といわれている自動車業界。ここ10年を鑑みても、ハイブリッドカーの主力戦力化や、EV、先進安全装備などといった変化は多岐にわたる。そこで今回は、10年前(2013年)と2023年の販売状況を比較しながら、どのクルマが人気だったか、みていこう。
文/渡辺陽一郎、写真/TOYOTA、NISSAN、HONDA、SUZUKI、DAIHATSU、Adobe Stock
※本文内に掲載されている販売台数は、主に2022年と2023年1月から3月までとなります。
■2013年と今では販売比率に変化なし!? いっぽうの軽自動車市場は?
今の自動車業界は「100年に一度の大変革期」といわれて変化も激しい。そこで10年前の2013年と、2023年の現在で、クルマの変化を考えたい。
まず国内販売台数だが、2013年も売れ行きは既に下降していた。4輪車の販売総数は約538万台だから、国内販売が最も多かった1990年の778万台に比べると、69%に留まっていた。
2023年のデータは、本稿執筆時点では3月までだから、2022年を見ると約420万台だ。
2013年よりもさらに少ないが、この背景には新型コロナウイルスや、ロシアのウクライナ侵攻による半導体などの供給不足もある。
そこでコロナ禍前の2019年にさかのぼると約520万台だった。2013年の約538万台と比べて3%しか減っていない。
近年の新車販売の特徴として、軽自動車比率の拡大もある。軽自動車の割合は、2013年の時点で新車販売総数の39%に達しており、2019年は37%、2022年は39%、2023年1~3月は36%だから、ほぼ横ばいだ。
以上のように2013年と現在では、国内販売台数や軽自動車の比率はあまり変わっていない。
■軽自動車やはり強い! 2013年と2023年では売れ筋車種に変化あり!
しかし売れ筋車種は異なる。2022年の国内販売ベスト10車は以下のとおりになる。
1位:ホンダN-BOX、2位:トヨタヤリスシリーズ、3位:トヨタカローラシリーズ、4位:日産ノート&ノートオーラ、5位:トヨタルーミーとなる。
次いで、6位:ダイハツタント、7位:スズキスペーシア、8位:ダイハツムーヴ&ムーヴキャンバス、9位:トヨタライズ、10位:スズキワゴンR&ワゴンRスマイルであった。
いっぽう、2013年の国内販売ベスト10車は、1位:トヨタアクア、2位:トヨタプリウス&プリウスα、3位:ホンダN-BOX、4位:ダイハツムーヴ&ムーヴコンテ、5位:スズキワゴンRとなる。
次いで、6位:ホンダフィット、7位:ダイハツミラ&ミライース&ミラココア、8位:日産ノート、9位:ダイハツタント&タントエグゼ、10位:スズキアルト&アルトラパンであった。
2023年の国内販売1位はN-BOXで、トップ10車のうち、5車種を軽自動車が占めた。残りの5車種は小型/普通車だが、上位のヤリス、カローラ、ノートは、いずれも複数のボディタイプを合計したシリーズ全体の数字だ。
コメント
コメントの使い方