【閉じ込め事故年間2万件!!】命をつなぐ車内緊急脱出ツール「レスキューマン」を装備せよ!

【閉じ込め事故年間2万件!!】命をつなぐ車内緊急脱出ツール「レスキューマン」を装備せよ!

 自動車用緊急脱出ハンマーは交通事故や水没事故などで車内に閉じ込められたときに、ウインドウガラスを割って車外に緊急脱出するために使用する、緊急脱出ツール、レスキューマンを知っているだろうか?

 近年、衝突・追突・横転事故、ゲリラ豪雨などの自然災害により車内から脱出できなくなる車内缶詰事故が多発し、クルマに閉じ込められ脱出できない人は年間2万333人、車内缶詰事故で焼死、溺死した人は年間169人(平成28年消防白書、厚生労働省人口動態統計)となっている。 

 現在、トヨタ(レクサス含む)、日産、ホンダアクセス、マツダ、ダイハツ、三菱などに純正オプションとして販売されているのだが、発炎筒のように装着が義務化されているわけではない。万一のことを考えると、標準装備にしてもいいのではないだろうか。

 ここで改めてレスキューマンにスポットを当て、どのようなものなのか、迫ってみたい。

文/高根英幸 
写真/ベストカーWEB編集部 丸愛産業 Adobe Stock


■クルマは50cm水没したらドアが開かなくなる

クルマが水没するまで4〜5分かかり、水深50cmでドアが開かなくなってしまう
クルマが水没するまで4〜5分かかり、水深50cmでドアが開かなくなってしまう

 地球温暖化の影響か、ここ数年の異常気象による水害はちょっとシャレにならないほどの被害を及ぼしている。

 クルマで移動する人々にとって、道路が冠水してしまうと路肩や凹凸が分からなくなったり、アンダーパスなどの地下路では水深が一気に深まってしまうのは危険過ぎる状況だ。

 さらにヒドい浸水になるとクルマが流されてしまうほどの激流が襲ってくることもあった。そうした水害の犠牲になられた方にはお悔やみを申し上げるしかないが、今や集中豪雨は異常気象と呼べないくらい毎年のように起こっている。

 そのため自分の身は自分で守ることが求められる。治安が良いと言われる日本だが、犯罪からだけでなく災害からも自衛する必要が生じる時代になったのだ。

 通常の車両故障ならロードサービスを呼んで待っていればいいかもしれないが、災害時には悠長なことは言っていられない。短時間に状況を把握して、安全な場所に避難することが生死を分けることもあるのだ。

 しかしクルマが水没してしまったら、50cm以上浸水すると、水圧でドアは開かなくなるし、電気系統はショートすればパワーウインドウのクルマは窓も開けられない。

 水圧が均等に掛かっている窓は、ガラスを割って脱出しようとするなら、1点だけに集中して強い力でガラスに衝撃を与える必要があるのだ。

 交通事故の際もそうだ。クルマの衝突安全性が高まっているとはいえ、実際に衝突事故が起これば、その後の行動で運命が分かれることもあり得る。

 衝突時の衝撃でシートベルトのバックルとタングが変形して噛み込んでしまい、クルマから脱出できない、なんてこともある。だからクルマには緊急時の脱出を助ける道具を搭載しておくことが大事なのだ。

次ページは : ■緊急脱出ツール、レスキューマンIII

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