三菱ふそうトラック・バスは、米国Ample Inc.と、日本国内におけるEV電気トラック向けバッテリー交換技術の共同実証に関する契約を締結したと発表した。
ふそうの新型eキャンターを使用した実証試験が日本で行なわれる予定となっている。その概要をまとめた。
文/フルロード編集部、写真/三菱ふそうトラック・バス、Ample Inc. 、フルロード編集部
Ample社と三菱ふそう
今回三菱ふそうとバッテリー交換技術の共同実証を行なうAmple社(本社:米国サンフランシスコ)は、電動車両とサステナブルな輸送エネルギーの導入をグローバル規模で推進する企業。
どのようなEVでも10分以内にフル充電となる、迅速かつ低コストなモジュール式バッテリー交換技術を生み出したことで、TIME誌の2023年「最も影響力のある企業100社」や、Fast Company誌の「世界を変えるアイデア」、2022年の「世界で最も革新的な10の企業」にも選出さている。
いっぽう三菱ふそうは、航続距離99km~324km(*国土交通省審査値)を実現した電気小型トラック、eキャンターの新型モデルを2023年3月に発売開始。
新型は航続距離の向上とともに車型展開を大幅に拡充し、ダイムラートラックグループの小型BEV「世界戦略車」としてこれまで以上に国内外の販売に力を入れていく構えをみせてきた。
そうした中、三菱ふそうはeキャンターのさらなる可能性拡大を探るため、より長距離を走ることを目指し、今回、ふそうの電動化ソリューションとAmple社のバッテリー交換技術を融合させるべく共同実証を行なう運びとなった。
共同実証の内容
実証では、新型eキャンターにAmple社のバッテリーモジュールを装着。同社のバッテリー交換ステーションに入庫させ、ロボットによる自動バッテリー交換を行える仕組みの構築を行なう。
この技術では、バッテリーの交換時間は最短5分とされ、BEVの弱点であった充電時間の長さによるダウンタイム(非稼働時間)がほとんど解消されることになる。
ちなみに、バッテリー容量などにもよるが通常の電気小型トラックの充電時間は、普通充電で10時間前後、急速充電で1~2時間程度を必要とする。
三菱ふそうとAmpleは、この取り組みを通じて、顧客の反応、この技術の拡張性、日本における将来的な商業化の可能性を検討。
ゆくゆくはこの技術を用いることで、EVトラックの本命とされてきたラストマイル配送だけでなく、中距離輸送等さまざまなニーズにも対応していきたい考えだ。
なお共同実証は、日本国内で、2023年の今冬に実施する予定となっている。
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