ISO規格だとしても不便すぎ!!  右ハンドルに左ウインカーの輸入車がほとんどなのはなぜなの?

ISO規格だとしても不便すぎ!!  右ハンドルに左ウインカーの輸入車がほとんどなのはなぜなの?

 輸入車の右ハンドル仕様車はハンドル右側にワイパースイッチ、ハンドル左側にウインカーレバーがついているのが常。慣れの問題もあるけど、右側通行用に最適化されたハンドル左側のウインカーレバーはどうしても使いづらいのでは?

文/清水草一、写真/ベストカーWeb編集部、ベストカー編集部、AdobeStock(トビラ写真:benjaminnolte@AdobeStock)

■ヒョンデとBYDは日本仕様にハンドル右側にウインカーを設置

BYDのSUVタイプのATTO3は右ハンドル仕様を設定し、日本車と同じくハンドル左にウインカーレバー、右にワイパースイッチを設定
BYDのSUVタイプのATTO3は右ハンドル仕様を設定し、日本車と同じくハンドル左にウインカーレバー、右にワイパースイッチを設定

 輸入車に初めて乗る人が最初に戸惑い、操作を間違えるのは、ウインカーレバーの位置ではないだろうか。現在は輸入車の多くが右ハンドルになったけれど、相変わらずウインカーレバーは左側についている。

 慣れないと、とっさの操作の際、ワイパーを動かしてしまう確率は極めて高い。国産車から輸入車に乗り替えて、一度も間違えたことのない人はまずいない! と断言できるほどである。

 かく言う私も、借り物のクルマを運転する場合は、いまだにウインカーレバーと間違えてワイパーを動かしてしまうことがある。私の場合、なんとなく輸入車っぽい雰囲気の国産車に乗った時と、なんとなく国産車っぽい雰囲気の輸入車に乗った時に間違える確率が高いようだ。前者はレクサス、後者はVWなどが該当する。

ヒョンデアイオニック5。右ハンドル仕様で、シフトレバーの上にウインカーレバーが設置されている
ヒョンデアイオニック5。右ハンドル仕様で、シフトレバーの上にウインカーレバーが設置されている

 そんななか、ヒョンデの「アイオニック5」とBYDの「ATTO3」は、日本仕様のウインカーレバーをわざわざ右側に移設して発売した。日本のユーザーとしてはポジティブな出来事だ。今後、ほかの輸入車もヒョンデやBYDに倣うことはないのだろうか?

■日本の道路左側通行は英国の鉄道に倣った?

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左側通行の日本の道路。当然、運転するのには右ハンドル車のほうが何かと都合がいいのは間違いないが……

 日本は明治以来、「諸車牛馬人力車は道路の左側を通行する」と定められた。理由は不明だが、「武士は左側に刀を差していたので、歩く際に左側通行でないと鞘同士がぶつかるため」とも言われるが、歩行者ならば、クルマが左側通行なら右側を歩くはず。鞘がぶつかっちゃうやないけ!

 日本は明治5年に鉄道を導入した際、イギリスの技術支援を受けた。よって日本の鉄道はイギリスと同じ左側通行(複線の場合)だ。道路におけるクルマの左側通行が定められたのは明治14年と鉄道より後。だから、日本の左側通行は鉄道に倣ったのでは……と推測したりもする。

 まあとにかく、日本は左側通行の国なので、右ハンドルの国産車のウインカーレバーは右側についている。右ハンドルの場合、左手はシフトレバーを操作するので、かなり忙しい。現在はATがほとんどになったけれど、昔はMTが主流だったので、ウインカーレバーは右手で操作するのが適していた。右ハンドルで右ウインカーレバーの選択は当然すぎるほど当然! と思ってしまう。

 ところが、世界的に見ると、ウインカーレバーが右側についているのは、ほぼ日本車の国内仕様だけだ。日本同様に左側通行のイギリスやオーストラリアでは、右ハンドルのくせにウインカーレバーは左側についている。日本車も左側に移設して販売している。いったいナゼ!?

次ページは : ■ISO規格でウインカーはハンドル左側となっていた!

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