ベストカー本誌でも掲載している「販売台数ランキング」。その順位の差はメーカーの販売力によるものなのか? それともそのモデルが持って生まれた実力(出来のよさ)によるものなのか? 今回は、コンパクトミニバンの2023年1~5月の累計販売台数を集計しTOP3車種を検証。上位3台の差はどこで生まれているのか!?
※本稿は2023年7月のものです
文/片岡英明、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年8月26日号
■1位:トヨタ シエンタ(販売台数:5万5435台)
シエンタはデビューして丸1年だから今も新鮮味がある。これから買っても長く付き合えるだろう。半導体不足やサプライヤーからの部品調達に足を引っ張られたため、思うように販売を伸ばせなかった。だが、解決すれば今以上の上乗せが可能だ。それくらい商品性は高く、大きな弱点は見当たらない。
シエンタがライバルを圧倒しているのは、トータル性能の高さと買い得感の高さである。ライバル2車は設計年次が古く、快適性も、走りの実力も、経済性もシエンタに届いていない。ルーミーはリーズナブルだが、3列目はないし、格下に見える。
●150字でわかるトヨタ シエンタ
2022年夏に7年ぶりにモデルチェンジし、デザインもメカニズムも一新した。フリードを意識して2列目のシートのスライド量を増やして快適性を高め、ハイブリッド車は実用燃費のよさと扱いやすさに磨きをかけている。また、先進の運転支援システムも採用し、トータル性能と商品力においてライバルを寄せ付けない実力派だ。
■2位:トヨタ ルーミー(販売台数:4万3204台)
ルーミーの好調を支えているのはトヨタの強力な販売力だ。だが、全長4m以下、全幅1.7m以下のボディサイズのわりにキャビンは広く、取り回し性も優れている。企画し、生産しているダイハツは軽自動車とハイトワゴンの魅力を知り尽くしているから、コンパクトなハイトワゴンを設計するのは得意だ。
等身大で、日常の使い勝手のよさが子育て世代のママたちにウケ、安定した売れゆきを見せている。強力な販売力に加え、ハイトワゴンとしての仕上がりもいいから人気が高いのだろう。
●150字でわかるトヨタ ルーミー
シエンタの下のクラスに送り出されたハイトワゴンだ。小型車サイズのなかに収めているが、2列シートと割り切っているし、後席はスライド量が多いから快適に座ることができる。シートアレンジも多彩だ。スライドドアを採用したことも人気に一役買っている。1L直3エンジンだが、ターボ装着車なら余裕ある走りだ。
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