インプレッサの真髄は素の「STグレード」にあり! 試乗してわかった凄すぎるスバルの底力とは?

インプレッサの真髄は素の「STグレード」にあり! 試乗してわかった凄すぎるスバルの底力とは?

 インプレッサで最近売り上げを伸ばしているのはマイルドハイブリッドのe-BOXERではなく、ガソリンの2Lエンジン車だとか。そこでベースグレードとなるST(FF車)の実力はどうなのか、国沢光宏氏の試乗レポートで解き明かそう!

文/国沢光宏、写真/中里慎一郎

■日本のユーザーって慧眼なのだ!

インプレッサSTグレード。わざわざスバル広報部が千葉スバルに手配して今回の佐渡島試乗会に手配してくれた
インプレッサSTグレード。わざわざスバル広報部が千葉スバルに手配して今回の佐渡島試乗会に手配してくれた

 現行インプレッサがデビューした時の試乗レポートで「229万9000円のSTというベースグレードこそ一番のお買い得車ではないか?」と書いた。されど広報車の用意はなし。加えて当初はe-BOXERを搭載したグレードの受注が多かったそうな。

 しかし、時間の経過とともにインプレッサSTグレードの販売比率は増えているという。やっぱり日本のユーザーって聡明。クルマをわかっているんだと思う。

装備は必要十分なレベルのものが備わっているインプレッサSTグレード
装備は必要十分なレベルのものが備わっているインプレッサSTグレード

 スバル広報としても「ぜひ試乗していただきたい」と思ったようだ。かといって今から広報車を用意するわけにもいかない(年間計画があるそうな。当然か)。今回、千葉のディーラーから試乗車を借りて「特別広報車」に仕立てた。

 そんなこんなで、インプレッサSTが間もなくデビューするスバル新型車の試乗会用移動車だった。乗るとあまりにいい!(笑)。予定外の試乗レポートをお届けしようと思う。

■コスパは世界一か? STグレードはインプレッサの良心です!

インプレッサのなかでもベーシックなSTグレードながら、オプション設定された装備を鑑みるとまったく不満点はなし!
インプレッサのなかでもベーシックなSTグレードながら、オプション設定された装備を鑑みるとまったく不満点はなし!

 用意されていたSTはスッピンでなく、オプションのナビと本革巻きハンドルが付いていた。ただ、LEDヘッドライトやアルミホイール、電動格納式ミラー、パドルシフト、ボンネット上に展開する歩行者用エアバッグ、当然ながらアイサイトまで標準装備。

 ひと昔前ならフル装備の最上級グレードですよ。革巻きハンドルなしで、後付けナビならプラス10万円もあれば収まる。

 前置きはこのあたりにして試乗といきましょう! Dレンジをセレクトして走り出すと「やっぱりね!」。予想していたとおり、けっこう元気なのだった。上級グレードに搭載されるe‐BOXERって145psのエンジンに13.6psのモーターを組み合わせている。

 理論上のシステム出力は158.6psになるものの、ベルトで駆動されるアシストモーターの伝達ロスは必ずある。

今回、試乗したインプレッサSTに搭載される2L水平対向DOHC。その実力は実用車的には最強か?
今回、試乗したインプレッサSTに搭載される2L水平対向DOHC。その実力は実用車的には最強か?

 一方、STに搭載されているFB20型水平対向DOHC(2Lの水平対向4気筒NA)は154ps。さらにe-BOXERの車重1530kgに対し、STといえば1380kg! 150kgも軽い! 

 低い回転域であり、なおかつアクセル開度の小さい時ならモーターのアシストがあるため、e-BOXERのほうがトルク感あるものの、走り出してしまえばむしろSTです。WLTC燃費も、郊外路や高速道路なら10%程度しか変わらない。

 アクセル全開加速なんか明らかにST優勢。そらそうだ。パワーウェイトレシオはe-BOXERの9.68kg/psに対し、STが8.96kg/ps。これくらい違うとハッキリ体感できます。

 ちなみに4WDを選んでも40kgしか重くならない。スバルの4WDシステム、驚くほど軽いのだった。雪が降る地域での相棒として考えたら世界一のコストパフォーマンスを持つクルマかもしれない。

次ページは : ■ボディ剛性は圧倒的だ!

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