「そのくらい知ってる!」という人は多いはず。だが、それらが行える・行えない場所や状況まで正しく理解している人は意外と少ないのでは? そんなわけで、今回は“追い越し”と“追い抜き”のお話。
文/今坂純也(DIRT SKIP)、写真/国土交通省、写真AC、イラストAC、シルエットAC
【画像ギャラリー】“追い越し”と“追い抜き”の違いをチェック!(7枚)画像ギャラリー■まずは“追い越し”と“追い抜き”をおさらい
追い越しと追い抜きはなんとなく似ている。どちらも自車の前を走るクルマより前方に出る行為に違いはない。だが、道路交通法第2条において“追い越し”は次のように記されている。
「車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう」
つまり、「高速道路で走行車線を走行中、前車に追いついたため右側の追い越し車線に移動し、前車を越した後に元の走行車線に戻る」この行為がまさに“追い越し”。
追い越しは原則として前車の右側から行うが、例外として、前車が右折のために道路中央もしくは右側に寄っている場合にのみ左側から行うことができる。
では、追い抜きは? というと、道路交通法に特に記載はないが、一般的には自車が進路変更することなく前車の前方に進むことを指している。
■追い越しのできない場所・状況は?
道路交通法第30条では、以下の9つの場所で追い越しが禁止されている。
1.標識などにより追い越しが禁止されている場所
2.道路の曲がり角付近
3.上り坂の頂上付近
4.勾配の急な下り坂
5.トンネル(車両通行帯の設けられた道路は除く)
6.交差点とその手前から30m以内の場所(優先道路を通行している場合を除く)
7.踏切とその手前から30m以内の場所
8.横断歩道とその手前から30m以内の場所
9.自転車横断帯とその手前から30m以内の場所
■追い越しのルールはセンターラインによっても異なる!
センターラインの種類によっても、追い越しのルールは変わってくる。では、具体的にはどのようなルールの違いがあるのかを見ていこう。
●黄色の実線
「追い越しのために」右側へはみ出しての通行は禁止(=駐車車両などの障害物を避ける場合は、はみ出しての通行が可能)
●白色の実線(片側6m以上の道路で使用)
原則として右側へはみ出す通行は禁止。はみ出さなければ追い越し可能
●白色の破線
追い越しとはみ出しての通行が可能
(2本のラインが引かれている場合は、自車線側のルールを適用する)
また、上に挙げた追い越し禁止場所のほかにも、以下の状況での追い越しが禁止されている。
●前のクルマがその前のクルマを追い越そうとしているとき(二重追い越し)
●前のクルマが右折などのため右側に進路を変えようとしているとき
●道路の右側部分に入って追い越しをしようとする場合に、反対方向からのクルマや路面電クルマの進行を妨げるようなとき
●道路の右側部分に入って追い越しをしようとする場合に、前のクルマの進行を妨げなければ道路の左側部分に戻ることができないようなとき
●後ろのクルマが自分のクルマを追い越そうとしているとき
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