2024年2月26日、ジュネーブモーターショーにおいて、2024年のワールド・カー・アワードの最終候補が発表され、「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(以下WCOTY)」部門では、BYDの「SEAL(Atto 4)」とKiaの「EV9」、そしてVolvoの「EX30」がトップ3に選ばれた。このなかから大賞が選出され、4月に発表となる。
「クルマ業界のアカデミー賞」ともいわれるWCOTY。はたしてWCOTY2024の大賞に輝くのはどのクルマか!? 予想してみよう。
文:吉川賢一
写真:KIA、VOLVO、BYD、SUBARU、TOYOTA、MAZDA、HYUNDAI、FORD、VW
2年連続でヒョンデが獲得しているWCOTY
WCOTY 2024の対象となるのは、2023年1月1日から2024年3月30日の期間で、年間1万台以上を生産し、(富裕層ではない)一般の消費者が手に入れられる価格帯で、少なくとも2つの大陸(中国、欧州、インド、日本、韓国、ラテンアメリカ、米国)で販売中であるクルマ。米国車に限らず、欧州車、日本車、韓国車、中国車、インド車など、あらゆるクルマが選定対象となる。選考委員は、世界中から選定されたモータージャーナリストたちで日本からも著名なジャーナリストたちが参加している。
2005年から始まったWCOTYを振り返ると、日本車がWCOTYを獲得したのは、2007年のレクサスLS、2008年のマツダデミオ、2011年の日産リーフ、そして2016年のマツダロードスターの4度だ。その他は、アウディA6やフォルクスワーゲンゴルフ、ポロ、BMW3シリーズ、ジャガー、ボルボなどがWCOTYとなっていたが、2020年は起亜(テルライト)、2022年はヒョンデ(アイオニック5)、2023年もヒョンデ(アイオニック6)と、ここ数年は、中韓のメーカーの活躍が目立っている。
2024年は、2年連続でWOTYを獲得しているヒョンデが3年連続となるか注目されていたが(同一メーカーの3年連続WCOTYは史上初)、ヒョンデは「KONA/KONAエレクトニック」と「SANTA FE」がトップ10にはランクインしていたものの、残念ながらトップ3からは外れる結果となった。
日本メーカー車も10ベストカーには3台がノミネートしていた
トップ3こそ逃したが、日本メーカーのクルマも、10ベストカーには3モデルノミネートしていた。マツダのラージクロスオーバーSUV「CX-90(海外専売モデル)」、スバルのハッチバックSUV「クロストレック」、トヨタのコンパクトセダン「プリウス」だ。そのほか、フォルクスワーゲンのラージセダン「ID.7」、フォードのクロカンSUVの「BRONCO」もノミネートしていた。
10モデルのうちアジア勢が7モデル、欧州車が2モデル、米国車はたった1モデルだったが、様々な人種が集まっている北米ならではの姿なのかもしれない。またノミネート車のうち、純バッテリーEVが5台、純エンジン車が3台、他2台がハイブリッド車となり、カーボンニュートラルへの関心の高さもうかがえた。
残念ながら、日本車はトップ3に残ることができなかったが、ボルボEX30は2023年11月より日本でも発売となっており、BYD SEALも2024年年央から日本発売となる。日本市場でもWCOTYの称号は浸透し始めているので、WCOTYを獲得すれば、販売動向に好印象を与える可能性はあるだろう。
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